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役に立つ心理学コラム「いじめについて−2(いじめられる側の心理)」

いじめについて−2(いじめられる側の心理)

1. 彼女は、なぜ、いじめの体験を淡々と語ったのだろうか?

前回お話した事例は、かなり激しいいじめ体験です。しかし、どんなにいじめが激しくても、クライエントの中には、その体験を淡々と語る人がかなりいます。彼らは、淡々としか語る事ができないのです。いじめの体験は、あまりに残酷で、そして、理不尽です。その体験に伴う感情は、個人がかかえるにはあまりにつらすぎるものなのです。

こうしたつらい体験を受けた時、人は、Detachmentと呼ばれる心の防衛を行う事があります。すなわち感情を経験から分離し、押し込めてしまうのです。押し込められた感情は、身体的症状(頭痛、胃痛等)に現れる事がよくあります。Detachmentの状態がさらに進むと、解離と呼ばれる部分的な記憶喪失にまで陥る事もあります。

ですから、クライエントが淡々と語ったからと言って、彼女(彼)が、いじめ体験を克服したとか、いじめは過去の事であって彼女(彼)の中では、もう整理がついている事を示している訳ではないのです。むしろ、淡々と語る事は、その経験に伴う感情を彼女(彼)が抱えきれない事、すなわちその問題がまだ片付いておらず、心の傷はまだ癒されていない事を示していると考えた方がよいでしょう。


2.彼女は、なぜ、自分がいじめられている事を親に言わなかったのだろうか?

いじめを受けた子供は、なかなかその事を親に言わないものです。これには、いくつか理由があります。

まず、親に言う事で、いじめの事実が先生を経由してクラスメートに伝わる可能性があり、そのためその後の報復を恐れるからです。たとえ親に訴えたとしても、その後の親や学校側の対応が不適切であれば、さらにいじめがエスカレートする可能性があるからです。逆に、親によってさらに傷つけられる可能性もあります。前回お話した例では、親が子供に「弟の勉強のじゃまをしないでね」と言っています。こうした対応は、深く子供の心を傷つける
事になります。彼女には、救いが必要なのにもかかわらず、最も安心できるはずの家の中でさえ、じゃまもの扱いされてしまっているのです。これでは、彼女の自尊心は粉々に壊れてしまうでしょう。

また、どんなに苦しい状況でも、親に心配をかけたくない、あるいは、親を悲しませたくないと考える子供達も多数います。今最も苦境に陥っているのは、いじめられている本人であるのにもかかわらず、それでも、親のこころを共感的に理解しようとするのです。

さらに、もっと深い無意識のレベルでは、彼らは、いじめという現実から逃れようとする気持ちもあります。自分がいじめられている事を現実として認めたくないのです。ですから、いじめを受けている子供達は、大きなこころの傷を受けているのにも関わらず、親の前では「なんでもない」ふりをしがちです。少なくとも家の中では、健康で元気な子供を保っていたいと感じているのかもしれません。
そして、彼らにとって「自分がいじめられている」事を親に訴える事は、それを現実に起こっている事実として認める事になるのです。いじめを受けている子供たちは、必死にいじめを受ける理由を探そうとします。その結果、多くの子供たちは、「自分がダメだからいじめられるんだ」という結論に達してしまいます。実際はダメな事はないのですが、他の理由がみつからないので、「自分がダメだから・・」という考えに固執してしまうのです。彼らにとっては、いじめを事実として認める事は、同時に「自分はダメな人間だ」という思い込みを現実として認める事になってしまいます。

この様に、いじめを「親に訴えない」理由はさまざまです。そして、ついに子供が親に「自分がいじめを受けている」事を訴えた時には、もはや、その苦痛が自分ひとりで耐えられない程大きくなっている事が多いのです。その事を親は理解しなければなりません。


3.いじめを受けている事を告白された場合、親はどの様に対応したらよいか?

子供がいじめについて訴えた時、親はまず、その子供が大変なこころの傷を負っている事、そして前述したように、親に訴えるまでに、相当なこころの中の葛藤があったであろう事を理解しなければなりません。

まず、傷ついた子供のこころを共感的に理解する事に勤めるべきで、分析やジャッジメントは、特に最初の段階においては、なんの役にもたちません。よく、「いじめられる側にも問題がある」といわれる方がおられますが、これは、基本的に間違いです。次回に触れますが、いじめの原因は、ほんの小さなことである場合がほとんどで、いじめられる側には、罪はないのです。また、仮になんらかの原因があったとしても、それはその後に受けた仕打ちに比べれば取るに足らないものなのです。ですから、子供がいじめについて訴えた時、間違っても「お前にも責任がある」等と言ってはいけません。そんな事を言ってしまえば、「自分はダメな人間だ」という間違った思い込みをますます強化してしまう事になります。分析やジャッジメントよりも、まず、「お前は悪くない」と言ってあげる事、そして、どんな事があっても親は子供の味方である事を知らせる事です。


(向後善之)

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