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役に立つ心理学コラム「いじめについて−1」

いじめについて−1

学校におけるいじめは、今、大きな問題になっています。そして、いじめの内容も従来のいじめと様相が異なり、「クラスのほぼ全員(傍観者を含め)がいじめに参加する」、「はどめがきかず、いじめられる側を深刻な精神的危機の状態、極端な場合、自殺にまで追い込む事がある」等の特徴があります。

今回から4回にわたり、いじめを受けた人の心の傷および、こころのケア、なぜいじめが起こるのかについて考えていきたいと思います。

以下に揚げるクライエントからの訴えは、かなりシビアなケースではありますが、いじめの典型的な例です(この例は、何人かのいじめを受けた経験のある人達の話を元に構成したフィクションで、特定の人の経験を示すものではありませんが、こうした例は、私が帰国前に想像していたより、はるかに多くある様です。また、この例の中の親や学校と異なり、きちんとした対応をされている例もある事を付け加えておきます)。

クライエント:20歳、女性

症状:長期にわたる抑うつ症状。高校1年のころから、ひきこもり状態。偏頭痛、腹痛、不眠を訴えるものの、病院での検査では、身体的な異常はない。

特記事項:時々「死にたい」と考える事はあるが、具体的プランはない。

過去の病歴:高校時代から、数度精神科、心療内科への通院歴あり。うつ病と診断される。

家族構成:同居家族 父親(会社員、管理職)、母親(主婦)
       別居家族 弟(大学生)

「クライエントの訴え」

私は中学1年生の頃から、高校1年の2学期までの約4年間いじめにあいました。私は6年生までは○△県に住んでいたのですが、小学校卒業と同時に、父の転勤で◎▲県に移り、中学に進学しました。中学校は普通の公立中学です。

小学校には、楽しい思い出がいっぱいあります。友達もいっぱいいました。自分で言うのもなんですが、クラスの中で割と人気もあったと思いますし、今と違って明るい性格だったし、成績もよい方でした。引越しの時、みんながお別れ会をしてくれました。みんなと別れる時は、本当につらく、一日中泣いてしまいました。

中学進学は、知っている友達もおらず不安でしたが、同時に「あたらしいスタート」という意味で、希望もありました。そして、最初の頃はそれなりに順調なスタートだったのです。「へぇー、○△県から来たんだー」とか、「○△県って、どんなところ?」等と話しかけてくれる子たちもおり、私にも、クラスにとけこんでいけるという自信がつきはじめました。でも、そんな時に突然いじめが始まったのです。

いじめが起こったきっかけは、はっきりしないのですが、おそらく私がクラスの中で孤立していたA子ちゃんと仲良くした事がきっかけのような気がします。その後、クラスの子たちの様子がなんとなくよそよそしくなりました。やがて、それまで話しかけてくれていた子たちも、何も話しかけてくれなくなり、私が話しかけても聞こえないふりをする様になりました。いわゆる「しかと」の始まりです。「しかと」は、あっと言う間にクラス中に広がり、私が朝「おはよう」って言っても、だれも返事をしてくれないようになりました。

私は、なにがなんだかわからなかったのですが、その頃はまだ、「何かの誤解だから、きっとすぐ元通りになるだろう」位に軽く考えていたのです。ところが、すぐにその考えが甘い事に気づく事になりました。やがて、「しかと」だけでは収まらなくなり、クラスメートの子たちが、私の方を見てクスクス笑ったり、聞こえよがしに「□□菌」等と私を呼んだり、ちょっと触れたりすると「あっ、きたねー、□□菌がうつっちゃうよー」等と言う男子もいました。(注:□□は、クライアントの苗字)

さらにいじめはエスカレートしていき、教科書にいたずら書きをされたり、くつに画鋲を入れられたり、カバンをナイフで切られたり、カバンの中にゴミを入れられたりといった事がしょっちゅう起こるようになりました。給食の時、おかずの中にチョークの粉や消しゴムのかすを入れられたりもしました。又、また、机に「死ね」と落書きされたり、面と向かって、「あんたなんか生きている価値ないのよ」とも言われました。

こうして、学校は恐怖の場となりました。授業中はまだましでした。みんな先生の前では「いいこ」にしており、せいぜい先生に気づかれない様に私の頭にケシゴムのかすを投げるぐらいの事しかしませんでした。でも、休み時間は、そうはいきません。さっき言ったようないじめを毎日受けました。やがて私は、休み時間中トイレにとじこもるようになりました。保健室に行く事も考えましたが、そうすると親にまで連絡がいってしまうと思い、やめました。しまいには、トイレの中で朝登校途中に買ってきたパンを食べたりしました。

最初の頃、いじめの事を親には言いませんでした。言いたくないという気持ちと、言ってもしかたがないという気持ちがありました。いじめの事を親に話したのは、中学1年の3学期だったと思います。親もびっくりした様で、信じられないといった様子で、私の話を聞いていました。ひととおり話をした後、父からは「いじめは、昔からあった」と聞かされ、「いじめに負けないように強くなれ」と励まされ、最後には両親から「後2年だから、がんばりなさい」と言われました。そして、母は、担任といじめの件について話をする事を約束してくれました。

その後、母が学校に行き、担任と話をし、担任も「なんとかする」と言ってくれたのですが、事態は変わりませんでした。担任のやった事は、ホームルームの中で「いじめはいけない事だからやめよう」と言った事くらいのものです。私は、中2の2学期の半ばから、ほとんど学校に行かなくなりました。

それでも、勉強は家の中で続け、なんとか中学を卒業し、地元の高校に進学しました。高校に進学してからは、「気分を一新して・・」等と考えていたのですが、私はその頃「学校恐怖症」のような状態で、クラスの中でもビクビクしていたように思います。さらに悪かったのは、私の中学から何人かが、その高校に進学していた事でした。
彼女たちが私のうわさを流したらしく、私がいじめを受けていた事が、学校の中で広まっていきました。その頃から、みんなの私を見る目が変わっていった様に思います。再び「しかと」が始まり、私はクラスで完全に孤立していきました。やっとの事で1学期を終え、夏休みには少し元気になり2学期を向かえたのですが、そこまでが限界でした。ある日、どうしても学校に行けなくなり、それ以降は登校していません。

高校の時は、最初から親に相談しました。でも今度は「いじめられる側にも問題がある」と言うのです。その理由は「問題が無ければ、高校でもいじめられる訳がない」との事です。また、「いじめられる側にも、なんらかの問題がある」というのは、中学の時の担任が母に言った言葉なのだそうです。確かに私にも落ち度があったかもしれません。でも、彼らのいじめは度が過ぎると思います。その事を親に言っても、あまり真剣に聞いてくれませんでした。親にしてみれば、弟の高校受験が心配だったのでしょう。私が家でぶらぶらしていると、母から「△男(弟のこと)のじゃまだけは、しないでね」等と言われました。弟は優秀で、親たちからは期待されて育ちました。今では、一流大学に通っています。

何度か大検を受けたりしようとしたのですが、結局、体力も気力も続かず、あきらめました。今は、なにをしてよいのかわかりません。

以上の出来事を、このクライエントは淡々と話します。このクライエントは、なぜ淡々と自分がいじめられてきた体験を話す事ができたのでしょうか?また、なぜ、親に話すのをためらったのでしょうか?そして、どの様なこころの傷を彼女は受けているのでしょうか?これらについて、次回「いじめについて−2」で考えていきたいと思います。


(向後善之)

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