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役に立つ心理学コラム「モンスターたち(5)モンスターたちの傾向その2」
モンスターたち(5)モンスターたちの傾向その2
昨日の続きで、モンスター達の傾向です。
<カテゴリーエラー>
「検査結果で異常が無かったので、検査費をはらわない患者」の例をさらに詳しく見ると、巧妙な話のすり替えがあることに気づきます。前述したように、必要な検査であることを患者は同意したわけですから、患者は、その代金を支払う義務があります。これは、純粋に「労働に対する対価を支払う」という当たり前の義務です。
しかし、「弱者」をふりかざす人たちにとっては、本来支払いを要求する権利と支払う義務の話、つまり純粋に「経済的なテーマ」なのに、強者による弱者への迫害という「パワーとコントロールのテーマ(しかも、まったく事実と異なる)」にすりかわってしまっています。
こうした話のすりかえは、カテゴリーエラーと呼ばれます。カテゴリーエラーは、他者に罪悪感を投げかけ操作する、最も理不尽でありながら、有効な手段です。
すいているからという理由で夜間外来に来て、「医者は、患者を診る義務があるだろう!」などと主張する例について考えてみましょう。
本来は患者に緊急性があるかないかというテーマであり、緊急性が無いことを知りながら「すいているから」という理由で夜間外来を訪れるという患者側の節度の問題なわけですが、モンスターたちは、そうした自分に都合の悪いテーマからは目をそらし、医師の義務というテーマにすりかえるというカテゴリーエラーを犯しています。
カテゴリーエラーを適用すれば、都合の悪い事実は消滅し、その結果、どんなにまともな行動をしても、その人を悪人に仕立て上げることは可能です。そして、モンスターたちは、すきあらばカテゴリーエラーを適用していく傾向があります。
<マッチポンプ的フィードバック>
これまで述べてきたような「権利の主張という正論」をふりかざし、意見の違う人には「個人攻撃」をしかけ、自らを「弱者」という最も強い立場に置き、「カテゴリーエラー」を頻繁に適用した、モンスターたちの理論をより強力にするために、彼らは、賛同者を集めるということをするときがあります。
モンスターAさんが、友人のBさんに、「○△病院は、ひどいのよ、なぜなら・・」と、自分に都合の良い内容で組み立てた自分の意見を話したとします。Bさんは、Aさんの話に同情し、あるいは、めんどくさいので、つい「そうね、ひどいわね」と言います。Bさんの同意は、Aさんにしてみれば、非常に都合の良いものになります。Aさんは、「私と同じように、友人(Bさん)も、○△病院を批判している」といった理論を展開したりします。
要するに自分で種をまいておいて、あたかも他人の自発的な意見だというような主張をするわけで、これは、いわば、マッチポンプ的フィードバックと言えるでしょう。最近では、ネットという強力なツールがありますから、マッチポンプ的フィードバックは、またたくまに巨大化していくことがあります。
(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)