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役に立つ心理学コラム「危機は成長の鍵−2」

危機は成長の鍵−2

(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

危機的な状況を乗り越え、それが精神的な発達につながっていくというプロセスは、胎児のころから続いているという考え方もあります。

チェコスロバキアの精神科医(現在は、アメリカ在住)のスタニスラフ・グロフは、胎児が子宮内にいるときから誕生までのプロセスを4つの段階に分類し、そのときの経験が、後の精神的な傾向に影響すると考えました。

グロフによれば、胎児が誕生するまで、
・BPMT(子宮内で、母親と共生的融合している時期)
・BPMU(子宮が収縮し、子宮外に吸い込まれていく時期)
・BPMV(母親との相助作用の下に産道を通過する時期)
・BPMW(母親からの分離され、誕生する時期)
のプロセスを経るとのことです。

BPMTでは、胎児は、安心して平穏な環境にいるのですが、その時期が終わり、BPMUに移ると、子宮から追い出されるという恐怖を味わい、BPMVの産道で圧迫される苦痛に満ちた体験を経て、BPMWに至って、その危機から開放され新しい世界に誕生するというものです。

何も悩みのないように見える生まれたばかりの赤ちゃんも、誕生前後に平穏で幸福な子宮から追い出され、産道をくぐりぬけ、再び開放されるといった、危機を乗り越えるという体験をしています。また、帝王切開で生まれた子供も、帝王切開してもらえなかったら死に至るわけで、やはり誕生時のトラウマを経験しています。したがって、生まれてきた子供たちは、全て、危機を乗り越える能力を持って生まれてきていると言えるでしょう。

グロフは、こうした誕生時の経験が、後の人生になんらかの影響を与えると考えています。もちろん明確な言語的な記憶として誕生時の記憶が残るわけではありませんが、身体的記憶としては、後々まで残り、影響を与え得ると考えている精神科医や心理学者は少なくありません。


誕生時の記憶は、グロフの開発したホロトロピック・ブレスワークやオーストリアの精神分析家オットー・ランクの理論から影響されたリバーシングなどの特殊な呼吸法を適用したセラピーによってよみがえることがあります。

僕も、ホロトロピック・ブレスワークを留学先(CIIS)の教授だったグロフから受けたことがありますが、実際に身体中が締め付けられる感覚がありました。そして、ワークの途中で、呼吸ができなくなった時がありました。後からレポートを書くために、僕の誕生時のことを母から聞いたのですが、僕は、実際ほとんど窒息して生まれてきたのだそうです。母からそのことを聞いたとき、ちょっとびっくりしましたね。言葉の記憶としては残っていないけれど、身体的な記憶として、誕生時の記憶が残っているのかもしれませんね。


子供は、生まれてから(あるいは、胎児の頃から)3歳まで、大きな環境の変化にさらされ、さらに急激な脳内のシステムの構築がなされます。誕生のプロセスとともに、子宮という至福の宇宙から追い出され、自己と他者の分離を経験し、言葉を得、時間という概念を獲得する・・・などが、 3歳までに起こるできごとです。

最初の、あまりに大きな変化のため、3歳までの経験による影響は、後々まで残ると言われてきました。その代表的な理論が、フロイトの発達理論です。マーラーの発達理論もフロイトの流れをくんだものです。従来は、3 歳までの経験が将来的な病理に結びつくという考え方がありました。例えば、トイレットトレーニングをうまく乗り越えられなかった子供は、将来強迫神経症になりやすいといった考え方です。

しかし、こうした考え方には、3歳までの経験を過大視しすぎているという批判があります。近年では、3歳までの経験は重要だけど、その時期に受けた心の傷は、その後にいつでも修復することができるという考え方が主流と言ってよいでしょう。 人生初期のトラウマは、困難を乗り越えていくという経験をつむことによって、次第に癒され、それは、その後の人生にプラスに作用するようになっていきます。

最初は、ミルクが来ない、おしめをとりかえてくれないというような経験でさえ、人生がひっくりかえるような体験として認識されるのですが、一度乗り越えると、最初ほどの恐怖は感じなくなっていきます。 危機を乗り越えることにより、視野が広がっていき、今まで見えていなかったものが見えてきます。対応策も見つけやすくなるのですね。 ですから、危機は、成長の鍵なんです。

アメリカ人のセラピストたち、特にカリフォルニアの人たちは、どこで覚えたのか、「『 Crisis』を漢字で書くと『危機』と書く」ことを知っていて、訳知り顔に、「だから『 Crisis』は、『危』すなわち、危険』の意味があるけど、同時に『機』すなわち、『機会』の意味を持つんだ」と、日本人の僕に向かって解説し、「日本の文化はすばらしい!」などと、勝手に感動しています。彼らには、この概念が妙に受けています。


(向後善之)

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