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役に立つ心理学コラム「父の臨死体験(4) 」
父の臨死体験(4)
(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
父は、その先を話し始めました:
光の中に入ったら、そこは一面のお花畑だった。それは、きれいでなぁー。幸せな気分になったよ。
目の前に川が流れているんだ。ちいさな川だけど、きれいに澄んでいたなぁ。
その時、なにか気配を感じて、それで、川の向こう岸を見たんだ。
そうしたら、もう死んでしまった懐かしい友達がいるんだよ。みんな、手を振っているんだよ。
おれも夢中で手をふってな。川の中に一歩、二歩とふみだしたんだよ。
そうしたら、・・・。
ひとり、変なやつがいたんだ。
どうも、変だ、見おぼえないぞって思って、誰だろうと目を凝らしたら・・・。
だれだったと思う?善之。
と、運転している僕に突然、父は話をふりました。
20代だった僕は、「そんなのわかんねーよ」と、若者らしく答えました。
父は、ふと小さい笑いを浮かべ;
それがなぁ、赤鬼だったんだよ。角が生えててなぁー。
なんで赤鬼なんだろうって、おれは考えたんだよ。
その時、あっと思ったんだ、「待てよ、赤は、止まれだ!!」
それで、俺はもどってきたんだ。
なぁ、善之、もし、あれが青鬼だったら、おれは、逝っていたよ。
(向後善之)