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役に立つ心理学コラム「よいメンタルケア施設を選ぶには?」

よいメンタルケア施設を選ぶには?

こんな話を聞きました。自傷行為+過呼吸を訴える女性(仮にAさんとします)が、しばらく悩んだ後、どうしても自分の症状が改善せず、また、無気力で仕事にも支障をきたすようになったため、ついに心療内科で診察を受ける事を決意しました。
ところが、その心療内科はクライアントが多く、申し込みから実際に診察を受けるまで3ヶ月を要しました。

診察の当日、Aさんは予約の15分前にそのクリニックにつき、待合室でしばらく待つ事になりました。ところが、予約時間が来ても自分の名前は呼ばれず、Aさんは、なにかの手違いかと思い受付に問い合わせたのですが、「もう少しお待ちください」との答えでした。結局、Aさんの名前が呼ばれたのは、予約時間から2時間以上たった頃でした。

Aさんはまず心理士の先生に会い、心理テストを受けました。Aさんとしては、最初に自分の状況を聞いてもらいたいと思ったのですが、そんな余裕はほとんどなく、ただ心理士の先生の指示に従って心理テストをしました。「きっと、後からゆっくり話す時間があるだろう」と、彼女は自分自身を納得させました。

心理テストが終わり、Aさんは、再び待合室で待つ様に言われました。小1時間たった後、名前を呼ばれ、今度は精神科医の先生と会う事になりました。Aさんは、やっと話を聞いてもらえると思いほっとしました。ところが、その先生は、現在の症状に関する簡単な質問をした後、心理テストの結果を見ながら、「自己評価が低い」、「自分の意見や気持ちを十分表現する事ができない」、「ストレスを溜め込む傾向がある」等、Aさんの劣っている?点を指摘して、処方する薬を飲むように言われて、初めての診察が終了しました。精神科医による診察時間は5分程度でした。

診察が終わり薬局で薬をもらった後、Aさんは、無性に悲しくなり、涙がとまらなくなりました。Aさんにしてみれば、もっと自分の話しを聞いてもらいたかったのです。そして、精神科医から指摘された自分の欠点を考えると絶望的な気持ちになり、家に帰ってからもその気持ちは深まるばかりで、頭の中では、「(私は)だめな人間だ」という言葉がぐるぐる回って止まらなくなり、ついにカッターナイフで自傷行為をしてしまいました。

この第1回目の診察の後、Aさんは、もう2度と心療内科や精神科やカウンセリングオフィス等のメンタルヘルス機関には行くまいと決意しました。

最近は、こうした例は少なくなってきたものの、このAさんの様な例はまだまだあるようです。クライアントの方が初めてメンタルヘルス機関を訪れるには、大変な心の葛藤があります。彼らはいろいろな事を考えます。「そんな所(メンタルヘルス機関)に行くような自分は、弱くてだめな人間だ」、「こんな事を自分で解決できないなんて、なさけない」、「親にだけは知られたくない」等々、彼らの悩みは深刻です。それでも、自分の症状がどうにもならなくなり、「最後のたのみ」としてメンタルヘルス機関に問い合わせる事も多いのです。

こうした初診のクライアントに対し、上記の心療内科の対応は不適切と言わざるを得ません。
まず、あらゆるメンタルヘルス機関は、「クライアント(あるいは患者)が、来たときより悪い状態で帰す事はしない(文献1)」という基本姿勢を徹底すべきで、この点、この心療内科は明らかにクライアントの状態を来た時よりも悪くし、しかもそのおかげで、クライアントに「もう2度とメンタルヘルス機関には行くまい」という決断をさせてしまいました。

この原因は、第1に「クライアントの訴えを十分に聞かなかった事」にあります。Aさんが言っている様に、ほとんどの場合、クライアントは誰かに「話を聞いてもらいたい」のです。初診のクライアントには、十分時間をとって話を聞くべきでしょう。
また、心理テストへの偏重がうかがわれます。Aさんによれば、精神科医は、ろくにAさんの話を聞かずに、心理テストの結果に基づいて診断?を下し、薬を処方し、助言?を与えたのだそうです。クライアントの状態のアセスメントにおいて、心理テストは補足的な資料にすぎません。もちろん有効ではありますが、個人差もあり、絶対ではないのです。その事を診察する側は十分に認識すべきです。さらに、心理テストによっては、非常に時間がかかるものもあり、クライアントにとってはかなりの負担になる場合もある事を認識していなければなりません。診察する側にとって、最も重要な資料は、クライアントに対するインタビューの結果です。
再度言いますが、心理テストは、その補足資料にすぎません。

私がサンフランシスコのカウンセリングセンターでセラピーをやっていた時には、いきなりクライアントに心理テストをやってもらう事はあまりなく、どのセラピストも、たいていのケースにおいて、クライアントとのインタビューに十分な時間を割き、その中から必要な情報をひろって行き、必要な場合に心理テストを行っていました。
インタビューといっても、セラピストがクライアントを質問攻めにする事は避け、できるだけクライアントが自由に話せるように、ストレスを感じないように工夫します。このため、初回のセッションは通常のセッションより長く、1時間半程度になります。
初回インタビューで集めた情報は、カリフォルニアの公的機関で広く使われているフェイスシートというチェックリストに基づいて初回セッション後整理し、クライアントの状態を判断していました(私は、現在もこの方法を採用しています)。

メンタルヘルス機関にかかわる人達(精神科医、セラピスト、ソーシャルワーカー、受付の人達等)は、初診のクライアントがどんなにストレスフルな状態かを理解する必要があります。そして、そのストレスを極力やわらげ、クライアントがリラックスできるように、そしてクライアントが「来てよかった」と思えるようにしなければなりません。

そのためには:

1)クライアントを待たせない。

予約時間どおりにはじめるのが大原則です。しかし、メンタルヘルス機関によっては、クライアントが非常に多い場合もあり、難しい時もあるのですが、「極力クライアントを待たせない」工夫が必要で、どうしても待たせてしまう場合には、十分に理由を説明する必要があるでしょう。

2)クライアントの訴えを聞く時間を十分にとる。

クライアントの訴えを十分に聞きながら、その中から必要な情報を得るためには、私は1時間半程度の時間が必要だと思います。
心理テストを含めるともっと時間が必要になる場合もありますが、あまりに時間がかかりすぎるのはクライアントにとっても負担になる場合があり、その場合は、心理テストは2回目以降のセッションにまわしてもよいと私は思います。

3)セラピーに来る事は恥ずかしい事ではない事を伝える。

クライアントの中には、前述したように、「セラピーを受けるなんて、私はダメな人間だ」と思っている方もおられます。そうしたクライアントには、「けっして恥ずかしい事ではない」事を伝える事が大切です。多くのクライアントの場合、心の病気は、次の精神的成長ステップのための「生みの苦しみ」である事が多いのです。また、クライアントの気持ちを共感的に理解し、そうした葛藤を乗り越えて来てくれた事に対し、感謝の意を表すのもよいでしょう。

4)守秘義務について説明する。

セッション内での出来事は、クライアントからの許可がない限り原則的には外にもらさない事を最初に伝える事で、クライアントの方が安心して自分について語る事ができます。

等の対応が必要です。


(向後善之)

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