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役に立つ心理学コラム「組織が崩壊するとき(15) 」
組織が崩壊するとき(15)
(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
今回は、ナルシストの得意技である、カテゴリーエラーについてお伝えします。
7、カテゴリーエラー
カテゴリーエラーとは、巧妙な話のすり替えです。
例えば、現実感覚を持った社員のAさんが、業績の悪化の原因を分析した結果と、その対応策を、ナルシストのB上司に提案した場合で、その提案にB上司にとって不利なことが述べられている場合、B上司は、「みんな一生懸命やっているんだ。君は、みんなが怠けているとでも言うのかね?」とA社員をたしなめたりすることです。
確かに、B上司の言う「みんな一生懸命やっている」のは、正しいことでしょう。しかし、Aさんが主張しているのは、「一生懸命やっているのかいないのか」ではなく、業績をよくするための提案です。
つまり、Aさんが、経営上のカテゴリーの話をしているにもかかわらず、B上司は、巧妙に精神論や協調性のカテゴリーの話にすり替えてしまっています。
こうしたすり替えの背景には、前述した、合理化、否認、投影同一視などの自我防衛機制が存在します。
こうしたカテゴリーエラーの傾向は、傲慢なナルシズム、共依存的なナルシズム、超過敏なナルシズムのいずれにも見られる傾向です。
(向後善之)