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役に立つ心理学コラム「感じると考える」

感じると考える

セラピーの中で、セラピストがクライアントに対して最も多くする質問の1つに「いま、あなたはどのように感じていますか?」があります。簡単な質問で、うれしい・悲しい・怒りを覚える・つらい・おなかがすいた等と、自分のその時の感情をそのまま答えればよいのですが、クライアントによっては、とまどいを覚えます。

例えば、たった今、自分がいじめを受けていた事を告白したクライアントに対し「いま、あなたはどのように感じていますか?」と質問すると、「あー、私はやっぱりいじめられていたんだなと思います」とか、「いじめられていたのは、私にも原因があると思います」等と答える方がかなりいます。彼らの答えは「思う」という言葉を使ってはいますが、実は「感じる」ではなく「考える」の文脈で、質問に答えています。
前者は事実をそのまま述べただけであり、後者は客観的に自分がうけた仕打ちを分析したものであり、そこには、自分の感情が全く見えてこないからなのです。

多くの人達は、普段の生活の中で、あまり自分の感情をそのまま表現する機会がありません。たいていの場合、口に出るのは、「考える」の部分です。特に日本語の場合、「思う」という言葉の中には「感じる=Feel」と「考える=Think」の2つの意味が含まれるので、感情を表現しているのか、考えを述べているのか不明確になりがちです。

例えば、次の文章は、「感じる」でしょうか?それとも「考える」でしょうか?

「向後は、40代半ばだと思う」

これは、解釈を述べただけであって、「考える」のレベルです。

それでは、「(一般的に言って)40代半ばっていうのは、オヤジだと思う」は、どうでしょう?

これも、客観的な常識?を示しているだけで、やはり「考える」の範疇です。

これが、「向後はオヤジなので、うざい」あるいは、「向後サンって、オヤジだけどステキッ!」等のコメントになると、はじめて「感じる」のレベルになってきます。さらに、なんの理由付けもない、「むかつく」、「いらいらする」、「ドキドキしちゃう」、「うれしい」、「悲しい」等の表現は、もう完全に「感じる」の世界です。

セラピーは、「考える」のレベルではなく、「感じる」のレベルにアプローチする場です。それは、心の中の悩みや苦しみは、「感じる」のレベルで起きている事だからなのです。
もちろん、セラピーにおいても、解釈や分析といった「考える」のレベルでのセラピストとクライアントのコミュニケーションといったものもありますが、これらもその目的は、クライアントの「感じる」のレベルの理解と、必要であればその変容を目的としたものです。

さらに、セラピーでは、クライアントからの「“I”ステイトメント」を強調します。
人からのステイトメントには、「“I”ステイトメント」、「“You”ステイトメント」、「“We”ステイトメント」の3つがあります。
「“I”ステイトメント」は私を主語とし、「“You”ステイトメント」はあなた・君等を主語とし、「“We”ステイトメント」は私達を主語とするコメントの事です。

「“You”ステイトメント」の場合、それは、相手に対する評価・判断が含まれ、これが行き過ぎると、口論のもとになりがちです。例えば、「あんたの働きが悪いからうちは貧乏なのよ」と奥さんに言われただんなさんは、「うるさい!お前が、もう少し家計のきりもりを上手くやればいいんだ!」という具合に、非難の応酬になりがちで、口論もエスカレートしがちです。これは、責任を相手にあずけてしまっている事により、内省が無くなりがちで結果的にお互いの責任のなすりあいになってしまう事によります。

また、「“We”ステイトメント」の場合、その発言は客観的な冷静な判断にも聞こえますが、自分の意見ではないため、どこか他人事に聞こえ、時には自分の責任を回避するために使われる事もあります。例えば、「わが社の方針は、・・」と言った時、発言者の意見が「わが社の方針」と同じなのか、違うのかは、聞いている方にはわかりにくく、そのため発言の責任の所在がはっきりしません。

一方、「“I”ステイトメント」は、その発言の責任は、発言者にすべてまかされます。そのため、「“I”ステイトメント」は「“You”ステイトメント」や「“We”ステイトメント」に比べ、はるかに発言する時に心理的なリスクが大きいのです。
ですから、例えば会社での会議の席上で、「私は、こう思います」と発言する方が、「うちの課の立場としては・・・」、「管理職会議で出された方針によれば・・・」といった「“We”ステイトメント」よりもはるかに勇気がいるのです。

セラピーの大きな目的のひとつは、クライアントの方に、「“I”ステイトメント」で自分の感情を表現してもらう事です。
これは、多くの人達が普段行っている「『“You”ステイトメント』や『“We”ステイトメント』で、『考える』のレベルの発言をする」とは、180度異なる体験です。
「楽しい 別の言い方をすれば、多くの人達は、自分の素直な感情を無視したり抑圧したりして生活しています。そして、感情の無視や抑圧が続くと、自分が「いったい何が好きなのか?」、「嫌いなのか?」という基本的な感情まで見失い、しまいには、今自分が「楽しいのか?」、「悲しいのか?」、「怒っているのか?」すらわからなくなってしまいます。
セラピーのプロセスの中で、そうした見えなくなった感情がよみがえってきます。そして、感情を取り戻し、その感情を受け入れる時に「生きている」という実感が蘇り、それが自己受容のプロセスの始まりになります。


(向後善之)

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