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役に立つ心理学コラム「セラピストの正直さ」

セラピストの正直さ

こちらのコラムで「悟り」の境地に達するのは、なかなか難しいというお話をしました。
偉いお坊さんでも悟るのが大変なのですから、セラピストも当然「悟り」の境地には達していないのです(中にはいらっしゃるのかもしれませんが・・)。
悟りとは、「浮かんでくる感情を追いかけない事」なのですが、それは無理としても、少なくともセラピストは、セッション中自分がどんな感情を追いかけているのかを認識する様に努めなければなりません。
セッション中、セラピストには、さまざまな感情が出てきます。その感情を歪めずにそのまま見つめる事が大切なのです。

例えば、クライアントの話にとまどいを感じている時に、その感情を「いけないもの」として無意識的に抑圧し、表面的に共感的な態度をとったとしても、クライアントは、その矛盾に気づきます。そして、「あなたの事はわかっているのよ」と言いながら心の中では違う感情があるというのは、一種のダブルメッセージであり、それは、クライアントが長い間他人から受けてきた扱いなのかもしれません。

この場合、セラピストは、自分の中に生じた「とまどい」にセラピー中か、少なくとも次のセッションまでの間に気づかなければなりません。そのとまどいがクライアントを理解する大きなヒントにもなり得ます。
自分の感情に気づいた後の対応は、セラピーの技法によって異なりますが、「自分の感情に正直である」事については、どの理論でも共通しています。

また、時にクライアントは、セラピストに対し反感を抱きます。こうした状況から目をそらし、防衛的になってはいけません。
逆に、セラピストは、クライアントが抱いている反感を表現してもらう様に努めなければなりません。クライアントが反感を持ったのは、セラピストの間違った対応によるものかもしれません。もしそうであれば、私は自分の間違いを認め、その事をクライアントに話します。
例えば完璧主義のクライアントであれば、素直に間違いを認めるセラピストがロールモデルになり、「自分も完璧じゃなくていいんだ」と思えるようになるかもしれません。

さらに、セラピストの中に生じる感情が、自分のものなのか、クライアントのものなのかを見極める必要があります。
セラピストの最大の武器は、「共感する能力」なのですが、「共感」とは、「他人の気持ちをあたかも自分のものであるかのように感じる」事であり、そのため、セッション中浮かんできた感情が自分のものなのかクライアントのものなのか不明確になってしまう場合があります。
例えば、夫との関係に問題があるクライアントを、同じ様な問題で過去に離婚経験のあるセラピストが担当した場合、自分の感情とクライアントの感情を区別できず、クライアントが望んでいないにもかかわらず、ついつい過度にクライアントに離婚を勧める等という事も起こり得ます。これは、セラピストがクライアントに代理戦争をけしかけているようなものです。もちろん、離婚経験のあるセラピストがカップルの問題を扱う事は、そのセラピストが自分の気持ちに正直な態度をとれるのであれば、なんら問題はありません。

自分の感情に対する正直さは、Authenticity(純粋性あるいは、真実性)と言われ、セラピストが持つべき最も重要な資質のひとつです。ですから、セラピストは、クライアントのこころを見る前に、自分について知っておかなければなりません。
「自分は、どういうところに敏感に反応するのか?」、「自分は、普段どういう防衛を行っているのか?」、「未解決の問題は何か?」等を十分に理解しておく必要があるのです。
そして、自分の気持ちを歪めずに正直に表現する訓練もしておかなければなりません。そのために、アメリカの臨床心理学の大学院では、卒業までに1年程度セラピーを受ける事が義務づけられていますし、スイスのユング研究所等でも長期間の教育分析が行われています。

そうは言っても、セラピーセッションを離れた普段の生活では、私も自分の非を認めずに言い訳を言ったりします。
なんたって、悟っていないですからねぇ。


(向後善之)

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