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役に立つ心理学コラム「自殺を防ぐ」

自殺を防ぐ

今までの人生の中で、一度だけでも「もう死んでしまいたい」とか、「自分なんかいなくなったほうがいいんだ」等と考えた事のある人は、けっこういるのではないかと思います。いじめにあった時、受験に失敗した時、退職した時、恋人とうまくいかなくなった時、その他、これといった大きなできごとは無いにしても、自分に対する不適切感を持っていたり、いいようのない不安を感じたりする時等、色々な場面で、人は自分の死を考える事があります。

その自殺観念が想像上のできごとを越える事なく、その後のまわりの状況の変化あるいは自分自身の変化等により、元気になっていく人達もいます。しかし逆に、自殺観念が次第に現実味を帯び、具体的なプランを建て、さらには予行演習までして、最後に本当に自殺を図る所までいってしまう場合があります。また、そういったプロセスを経ずに、衝動的に自殺を図る人もいます。そういう人達は、たまたま、「そこに農薬があったから」とか、「そこにロープがあったから」といって、それを自殺の手段として選んでしまうのです。

この様に自殺には、さまざまなパターンや原因があり、限られたスペースで一概に論じる事は危険です。そこで、今回は、自殺全般について論じるのではなく、「自殺についてのありがちな誤解」と「まわりの人ができるサポート」に的を絞って、書いていきたいと思います。

まず、ありがちな誤解ですが:

1.「一度自殺未遂をして生還した人は、死の恐さを知っているので、もう2度と自殺しようとはしない」は間違い。

  「一度自殺未遂をして生還した人は、死の恐さを知っているので、もう2度と自殺しようとはしない」と思っている方も多いかもしれませんが、これは、大きな間違いです。実際には、一度自殺未遂をした人が、その後何度も自殺を図る事が非常に多いのです。「自殺−生き残りの証言」(2000年、矢貫 隆著、文春文庫)という本の中には、6回の未遂の後、ついに自殺してしまった例が載っています。一度でも自殺未遂をした人は、一線を越えた経験があるので、それだけ危険度が高いと思わねばなりません。

2.抑鬱傾向のある人は、最も鬱状態が激しいときに自殺を図る・・とは限らない。

抑鬱傾向のある人は、最も鬱状態が激しいときに自殺を図る事は、もちろんあります。ただ、人によっては、最も鬱状態が激しい時には、自殺するエネルギーすらない場合があります。彼等にとって危険なのは、ボトムの状態からちょっと回復しだした頃です。彼等は、自殺するエネルギーを得てしまうのです。

3.ドラッグがきいている間は、ハイなので自殺しない・・とは限らない。

ドラッグをやっている人が、薬がきれた後、極度の鬱状態になって自殺をする事もありますが、反対にハイの状態で自殺する人も多いのです。彼等は、「ハイ」の状態の後に鬱状態がやってくるのを知っています。彼等の中には、「ハイ」の状態のまま、幸せな気分のまま死にたいと思う人もいるのです。また、「ハイ」の状態で幻覚や妄想を持ち、その幻覚や妄想に導かれて事故死的に死んでしまう人もいます。自分が飛べると思い込んでビルから飛び降りる人等が、そうした典型例です。

4.精神分裂病の回復期は、要注意。

精神分裂病の人は、さまざまな幻覚や妄想がありますから、それに導かれて死を選ぶ事があります。それと共に、注意しなければならないのは、回復期に幻覚や妄想が消えてしまった時です。例えば、自分は「神である」とか、「実は、天皇の孫である」等と思い込んでいた人が、現実に気付いた時、その失望はとても大きなもので、適切なサポートが無ければ、失望のあまり死を選ぶ事もあります。

5.「自殺をほのめかす人は、本当は自殺しない」・・というのは誤り。

最近のアメリカの文献では、約60%の自殺者が、死ぬ前に、「死にたい」等ダイレクトなメッセージを残しています。死をほのめかす人がいたら、真剣に対応してあげる事が大切です。「死にたければ、死ねば」等と言ってはいけません。

自殺の可能性のある人がまわりにいたら、まず専門家(セラピスト、精神科医等)に相談しましょう。その他、まわりの人たちができるサポートは:

1.信頼のできるセラピストや精神科医を紹介する。
セラピストや精神科医は、その人の危険度がどの程度かという事を、さまざまな情報から判断し、どういう対処をしたらよいかについてトレーニングを受けています。また、まわりの人がどのようにサポートしたらよいかについても、助言をしてくれるでしょう。

2.緊急時の連絡先(病院の精神科の救急施設等)を確認しておき、自殺の可能性のある人にも連絡先のリストをあげましょう。

3.自殺について率直に話し合う。
自殺について話すと、「かえってそれが自殺のきっかけになってしまうのではないか?」と考える人がいるかもしれませんが、これは、間違いです。自殺について率直に話し合う事は、真剣にその人の事を心配している事を示す事になり、彼等にとっては救いになります。

4.ジャッジメントをしない。
素直に話をするのは良いのですが、死にたい理由を分析したり(あなたは、今ちょっと落ち込んでいるだけよ。なぜなら・・)、意見をいったり(お前より不幸なやつらは、いっぱいいるじゃないか)、非難したり(あまったれるな!)する事は、逆効果です。彼等の言葉に耳をかたむけ、彼等の気持ちを理解する様につとめましょう。

5.コンタクトをとる。
できるだけ、コンタクトをとる事が大事です。また、危険がせまっていると感じた時には、ひとりにしない事です。緊急の連絡先(病院の救急施設、セラピスト等)に連絡するとともに、できれば、彼等と一緒にいるようにしましょう。

自殺をしようとしている人達の多くは、それが最良だと思って自殺という手段を選ぶ訳ではありません。彼等は、「もう生きていてもつらいばかりだから・・」とか、「自分なんかは、生きている価値がない」等と思い、ほかに
もう選択肢がないので、「このまま生きるよりは死んだ方がましだ」と考えて自殺を選ぶのです。

私は、自殺とは、最後の「こころの防衛手段」だと思います。人は、自分のこころをまもるために、さまざまな防衛機制(知性化、合理化、抑圧、分裂、否認、引きこもり、解離等)を使います。でも、もうそうした防衛では対応しきれなくなり、最後の手段として自殺を選ぶのかもしれません。自殺は、救いを求める絶叫なのです。

助けが得られるならば、多くの自殺は防ぐ事ができます。しかし、残念ながら、まわりの人ができることを全てしても、自殺を防げない場合があります。その様な場合には、自分を責めない事です。そして、どうしても自分を責めてしまうのなら、専門家に相談しましょう。

(文献:ストップ!自殺、「こころのクリニック」編)


(向後善之)

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