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役に立つ心理学コラム「ひきこもりからの回復3」

ひきこもりからの回復3

クライアントの自己統御がある程度のレベルまで達し、自分の受けてきたこころの傷を内省的に直視する事ができると判断されたら、セラピーは、次の「想起と服喪追悼」の段階に入ります。

2.想起と服喪追悼

この段階でのトリートメントの焦点は、クライアントが自分の外傷のストーリーを語る事にあてられます(文献1、P.273)。クライアントは、安全を保ちたいという欲求と過去と直面したいという欲求の間で揺れ動きます。

セラピストは、こうしたクライアントのジレンマを共感的に理解するとともに、第1段階から始めている認知行動療法系のアプローチ等により、クライアントの自己統御の力を増すようにサポートします。

また、この段階の初期においては、アート(絵やコラージュ等)やイメージ等の非言語的アプローチから始めるのも有効です。これらの非言語的アプローチにより、クライアントは、比較的容易に自分の外傷のストーリーを表現する事ができます。

しかし、この段階の目的が、「自分の外傷のストーリーを(言語化して)語る」事を忘れてはいけません。非言語的アプローチから始めたとしても、やがてはクライアントが言葉で表現できるように、セラピストは励まさなければなりません。

そのために、ゲシュタルト療法のエンプティーチェア(空の椅子に向かって、クライアントが自分の気持ちを表現する)を採用したり、時には、精神分析的手法を用いて解釈したりアドバイスを与えたりします。
この時点では、セラピストの特性によって、精神分析から人間性心理学までさまざまな手法がとられます。

ある程度外傷体験を言語化できるようになると、それまで抑圧してきたさまざまな感情が溢れ出てきます。
いわば、クライアントはその感情をセラピールームの中で再体験するのです。そして、その時なにが起こっていたのかを、次第に認識する事になります。

やがて、彼らは彼らが不当な扱いを受けて来た事に気づきます。その気づきに伴う感情は、怒り、悲しみ、絶望等です。こうした感情との再会は、非常につらい体験となりますが、その体験を乗り越えた時、再獲得された感情は、その後の回復の大きな推進力となります。

以前の(外傷)体験とセラピールームでの再体験との違いは、セラピールームでは、クライアントのそばにクライアントを共感的に理解するセラピストがいる事です。
そして、セラピストからの共感的理解により、クライアントは、過去の出来事を新しい枠組みで理解できるようになります。

また、複雑性PTSDの場合、「グループセラピー」や「自助グループ」に参加する事も非常に有効だと言われています(文献1)。
同じような体験をした人たちの中で、自分の体験を話し、自分を表現する事によって、「自分はひとりではない」という感覚を得るとともに、回復へのさまざまなヒントを得る事ができます。しかし、残念ながら、全国的に見てこうしたグループの数がまだまだ少ないのが現状です。

この段階で、セラピストが注意しなければならない事は、クライアントと親の関係です。
クライアントは、これまで抑えてきた親に対する不満を口にしだすかもしれません。しかし、だからといって、セラピストがセッション中に親を攻撃する様な事は、軽々しくすべきではありません。

たとえ親に問題があったとしても、クライアントが親を非難したとしても、同時に、親を非難してしまったクライアントには罪の意識があるかもしれません。セラピストは、その罪の意識に伴う感情も合わせて理解する必要があります。

さらに、この頃になると、子供の態度の変化により、親の方が抵抗を示す事がよくあります。
親にしてみれば、例えば、「素直なおとなしい子が口答えするようになった」のは、「セラピーのせいだ」と思い始め、子供がセラピーを受けるのを中止させてしまう場合さえあります。

こうした抵抗が見えてきた場合には、親との面接を行い、子供が反抗的に見えるのは回復のプロセスの一環である事を理解してもらい、また同時に、そのプロセスに伴う親の混乱やとまどいをセラピストが理解する必要があります。

親との個別面接は、次回お話する家族セラピーの準備にもなります。また、クライアントの親が「ひきこもり親の会」などへ参加する事は、子供の態度の変化によるとまどいを軽減させてくれます。

次回は、ひきこもりからの回復の最終段階についてお届けします。


文献1:「心的外傷と回復」、J.L.ハーマン著、みすず書房、1999年

(向後善之)

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