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役に立つ心理学コラム「「こんなはずでは ・・家族と共依存・・」その2」

「こんなはずでは ・・家族と共依存・・」その2

前回のお話で、共依存的なお母さんの行動とその結果を整理してみると、次のようになります。

@あばれるのがわかっているのに、不本意ではあるがお父さんにお酒を買ってくる。
 →お母さんの不機嫌そうな顔が、夫がお酒を飲む理由にされてしまう。

A花子さんの留守中に部屋をチェックし、ドラッグを見つけては処分した。
 →花子さんは、「部屋を勝手にかたづけられた」事に不満を持つ。ドラッグの話は、お互いに避けるようになる。

B言動がおかしくなった花子さんを部屋に閉じ込める。
 →花子さんの怒りを買い、家を出る理由にされる。

C花子さんが使い込んだお金を、なんとかやりくりする。
 →花子さんのドラッグ使用量がエスカレートする。

Dどこにも相談せずに、自分達で解決しようとする。
 →花子さんのドラッグの問題は、ますます手がつけられなくなる。

上にあげたお母さんの試みは、全て失敗してしまいました。

失敗もするはずです。なぜなら、お母さんは、「この問題は、自分たち家族で解決しよう」と思ったのかもしれませんが、この家族で実際に問題解決のために動いたのは、お母さんだけなのです。
そして、お父さん、太郎君、花子さんは、なんら自分の行動に対する責任を果たしていません。

別の言い方をすれば、お母さんは、他人の起こしてしまった行動に対し責任をとろうとしているのです。そして、実は、お母さん自身も自の共依存的な行為とそれが起こした結果にしっかりと直面していないのです。

@〜Dの行動を見てみると、すべてその目的は、起こってしまった事実に直面するかわりに、「何事もなかった事にする」方向に向いています。
お金をやりくりする事も、花子さんの部屋を探してドラッグを捨てる事も、皆「外面を整える」事にはなりますが、その結果、花子さんの「ドラッグの問題」や、「何故ドラッグをやる様になってしまったのか?」という本質が隠される方向になってしまっています。

お母さんは、何故「何事もなかった事にしよう」と思ったのでしょうか?
おそらく、お母さんは怖かったのです。娘が薬物依存になるなんて、想像もしていなかったでしょう。そして、お母さんからは、家族がどんどん崩壊しているように見えるのです。
「できるなら見たくない」と考え、「そのうち花子も心を入れかえるだろう」という期待を抱くのも自然ななりゆきです。

しかし、ドラッグの問題のような深刻な事態は、当人(この場合は花子さん)が自分でこころをいれかえ、家族が自然に元の状態にもどるという事は、ほとんどないのです。

さらに、この「何事もなかった事にしよう」という思いの底には、「他人からの非難に対する恐れ」があるかもしれません。
娘がドラッグをやっているなんて知れたら、回りの人たちからなんと言われるかわかったものじゃありません。陰に陽に「あなたの育て方が悪かった」と批判される事にもなるでしょう。このプレッシャーは、村社会的な日本では、非常に大きなものです。

だから、このお母さんが、夫から「おまえの育て方が悪い!」と非難された時、とても傷ついたとともに、「やがて色々な人達から同じことを言われるかもしれない」という思いに恐怖したことでしょう。

それでは、花子家のお母さんは、どうしたら良かったのでしょうか?

(1)他人の責任までしょいこまない。
まず、他人の責任をとろうとしない事です。
お父さんがお酒を飲みたかったら、自分で買いにいってもらったら良いのです。
花子さんが使い込んだお金は、やりくりなんてせず、「ドラッグに使うお金は無い」事を花子さんにはっきり伝える事です。
要は、自分の事は自分で責任をとってもらうという事を明確に打ち出す事です。

(2)ジャッジや分析よりも「そのまま聞く」事を心掛ける。
次に、トラブルになっている事(花子さんの薬物依存や、太郎君のひきこもり等)について、家族の中でストレートに話し合う事です。
その際、分析やジャッジは避け、そうしたトラブルを起こすに至った心情を理解しようとする事が大切です。

問題を起こしている当人は、自分がしている事を認識し、すでに自分で自分自身を責めています。彼らをさらに責めてみても、あまり意味はありません。むしろ、彼らが何を悩んでいるのか、どうしたいのかを聞いてあげることが大切です。たいていの場合、彼らは、自分の気持ちを聞いてもらいたがっています。

また、話し合いの過程で、花子さんは、「私は、ずっと太郎と比較されてきて つらかった」と言うかもしれません。あるいは、もっと激しい言葉でお母さんを非難するかもしれません。その時、お母さんは 過度に自分を防衛せずに、花子さんの気持ちを理解する事を心掛けることが大切です。

ジャッジや分析よりも「そのまま聞く」ためには、
@“I”ステイトメントを使う。
“You”ステイトメントではなく、“I”ステイトメントを使ってみると良いでしょう。
“You”ステイトメントは、「(お前は、)ドラッグばかりやって、どうしようないやつだ」みたいに、“You”を主語にする言い方で、どうしてもジャッジメントになりがちです。
  
一方、“I”ステイトメントは、「私は、こう思う」の様に、“I”を主語にした言い方で、自分の言葉に全責任を取っています。
お互いに自分がどう思っているのかについて話し合うのが、問題解決の第1歩です。日本語では、主語を省略する事が多いのですが、気持ちの上では、「私は」を最初につけて話す事で、本音について語り合えます。


A“Think(考える)”でなく、“Feel(感じる、思う)”について話す。
問題を起こしている当人達は、まず第1に自分達の気持ちを共感的に理解してもらいたいと思っています。そのためには、“Feel”の部分で、語りあう事をこころがける事が大切です。

Think”では、どうしても理屈になってしまいます。
そして今起こっていることは、理屈に合わない事なのですから、いくら理屈を話し合っても解決しない事が多いのです。


(3)問題点を覆い隠さず、オープンに話し合う。
問題を覆い隠す行為は、極力しないようにしましょう。
例えば、花子さんの部屋を勝手に片付けては、見つかったドラッグを捨ててしまうと、花子さんは間接的に非難されていると感じるでしょう。花子さん自身も、ドラッグをやっている事に罪悪感、絶望感等を感じていますから、深く傷ついてしまいます。

基本的には、勝手に部屋を片付ける事は、相手の自尊心を失わせるだけで、なんら良い結果を生まない事を認識する必要があります。

ただし、ドラッグの場合は、命にもかかわる事でもあり、緊急事態ではしかたがない事かもしれません。その場合でも、必ず「片付けた」事について、前述したノンジャッジメンタルな態度で、しっかり話し合いましょう。

深刻な悩みを持っている人たちは、多くの場合、「だれかに悩みを聞いてもらいたい」という気持ちを切実に持っています。
問題を覆い隠すのではなく、「しっかり話しを聞く」という態度を示す事で、花子さんは、お母さんに全てを話す事ができるようになるかもしれません。

そして、それでもドラッグをやめられず、しかも言動がおかしくなっている様な状態であれば、もはや、家族内で問題を解決する事は、ほとんど不可能であると考えねばなりません。


(4)自分だけで問題を解決しようとしない。
そして、問題を全部自分で解決しようとせずに、外に援助を求める事です。

花子さんの薬物依存の問題は、前述したように、とても家族内で解決できる問題ではないのです。こうした問題が起きた時には、専門家や各種相談機関に相談する事です。

また、たとえば家族のメンバーが、自助グループに参加する事も有効です。
そうしたグループに参加する事によって、家族の方々のメンタルケアにもなりますし、薬物依存をしている当人にとっても、家族が積極的に問題解決に努力している姿は励みにもなります。


以上述べてきた対応の仕方は、薬物依存の問題に限ったものではなく、その他の家庭内暴力・ひきこもり・摂食障害など深刻な問題の場合にもあてはまります。

共依存と呼ばれる人達は、多くの場合、だれからの援助もなく問題解決にあたろうとして、途方にくれているのです。
そして相互依存的で(村社会的な)、家を重んじ、恥に敏感な日本の社会の中では、共依存は生まれやすいのです。そうした中で共依存の状態から抜け出すためには、相当な困難が予想されます。

しかし、これまで見てきたように、「共依存」の状態では問題はますます悪化するばかりである事は認識しなければなりません。回りの人たち(家族)が勇気を出して行動を変える事で、はじめて問題が解決の方向に進み、その結果として、それまでの共依存的な関係ではなく、真の意味で親密な関係を築く事ができるのです。

最後に、「共依存的な関係」と「親密な関係」を下記のとおり対比してみました。


「共依存的な関係」
・外面をとりつくろう
・他人の行動に対して責任をとろうとする
・他人の価値観に支配される(他人からの評価に対する恐れ)
・他人をコントロールしようとする

 
「親密な関係」
・ありのまま
・自分の行動に責任をとる
・自分の価値観を尊重する
・他人の価値観を尊重する


(向後善之)

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