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役に立つ心理学コラム「「こんなはずでは ・・家族と共依存・・」その1」

「こんなはずでは ・・家族と共依存・・」その1

ここでお話するストーリーは、薬物(アルコールを含む)依存の家族のたどりがちな道です。

まず、「なんや、その辛気臭い顔は!酒や酒、酒買って来い!」 っていう演歌のセリフを思い描いてください。

お父さんは毎日酒ばかり飲んでいて、お母さんはその事に不満なのですが、結局、お父さんの言うとおり、お酒を買ってきてしまう様な家庭です。お母さんにしてみれば、買ってこないとお父さんは何をするかわからないし、そうでなくても、どうせ外に飲みに行ってしまうだろうし、それだったら家で飲んでもらう方がまだましだと思うのです。

しかし、お母さんの本音の部分では、お父さんのお酒について不満がありますから、ついつい「辛気臭い」顔になってしまいます。
お父さんはその「辛気臭い」顔を見て、「お前がそんな顔をするから、俺は酒でも飲んでなきゃやってられなくなるんだよ」等といいがかりを付けてきて、自分の飲酒を正当化しようとします。

こんな理屈に納得いく訳はないので、お母さんは、なおさら不機嫌になりますが、「よっぱらいに何をいってもしょうがない」と思い黙っているのです。

毎日こんな状態ですから、家族の中の会話なんてありません。息子の太郎君は、2階に上がってゲームばかりしていますし、長女の花子さんは、彼氏の所に入り浸りで、家には夜中にしか帰って来ませんし、外泊もしょっちゅうです。

結婚当初は、こんな事はありませんでした。お母さんは、お父さんの事を、真田広之には及ばないけれど、そこそこイイ男だし、将来性もありそうだと思っていました。お父さんも、お母さんの事を、かわいくて、おとなしくて、理想的な奥さんだと思っていました。

ところが、日が経つにつれて、お互いの粗が見えてきます。

お母さんから見ると、お父さんは、家に帰ってくると、だらだらテレビを見ているばかりで、独身時代によく連れて行ってくれたドライブにもさそってくれなくなりました。
しかも、会社では、どうも出世コースからはずれた様です。もはや、お父さんには、独身時代の颯爽とした印象はありません。

一方、お父さんにしてみれば、お母さんが、こんなに口うるさいとは思ってもいませんでした。家の中でタバコは厳禁だし、会社の同僚を呼んで家でパーティーをやると、「他人の前でお酒を飲みすぎだ」とか文句を言われます。
おまけに、お父さんが大好きな「お笑い番組」は大嫌いな様で、「お笑い番組」の時は、決まってふくれっつらです。どうも、お母さんのいる所でテレビを見ていても、ちっとも面白くありません。

こんな関係が続く間に、ふたりの関係は冷えて行きました。お父さんは、「つきあいだ」と言って、毎日飲みに行く様になりました。
お母さんの方は、出来の良い太郎君を溺愛する様になり、彼に全ての期待を賭ける様になります。お母さんは、太郎君にお父さんの様になってほしくないのです。

そして、彼が、お父さんが行けなかった一流大学に入学する事を夢見ます。お父さんが、もう少し良い大学を卒業していれば、出世コースからはずれる事もなく、こんなにだらしなくなる事もなかったと信じているからです。
そして、家庭の中が冷え切ってしまったのは、お父さんのふがいなさが原因だと思っているのです。

お母さんは、太郎君が理想的な男になるために、高い家庭教師を雇ったり、幼稚園の時から英会話教室に通わせたりと、あらゆる努力をします。

花子さんに対しては、お兄ちゃんみたいにできが良くないので、あきらめました。花子さんは、英会話教室もいやがって、結局行かなかったし、小学校の先生からも、「注意力が足りない」等といわれていました。お母さんから見ると、「花子は、お父さん似だ(すなわちできが悪い)」と思えてしまい、彼女には、つい小言を言いたくなってしまうのです。

それでも、最初は、家族の中のバランスは、かろうじて保たれている様に見えました。しかし、お父さんがほとんど家に帰らなくなり、帰ってきてもお酒を飲んで騒ぐ様になった頃、家族の中がメチャクチャになってしまいました。

さらに、家族の期待というより、お母さんの期待を一身に集めていた太郎君は、希望していた超一流大学の入試に失敗し、それでも名の通った大学に通う様になったのですが、大学入学後、まったく無気力になり、部屋に引きこもったまま、一日中ゲームをしているかテレビを見ているかになりました。

花子さんは、中学2年生の時に渋谷や青山で遊ぶ事を覚えてから、次第に服装もはでになり、高校2年の頃には、ボーイフレンドの家に入り浸る様になりました。この事が親子げんかの原因になり、いっそう花子さんは家に寄り付かなくなりました。
そして花子さんは、ボーイフレンドにさそわれてドラッグに手を出してしまいます。

花子さんが物質依存者になってしまった事に最初に気づくのは、おそらくお母さんでしょう。お父さんはお酒ばかり飲んでいて、家族をかえりみない様になっているし、息子の太郎君は引きこもり状態で、妹の事なんか考える余裕もないのです。

花子さんがドラッグをやっている事に気づいたお母さんは、花子さんを問い詰めます。すると、花子さんは、「友達にダイエットの薬だと言われて飲んだんだけど、変なのでもうやめる。」と言います。お母さんは、その言葉を信じ、大事にならないうちに気がついて良かったと胸をなでおろします。
そして、花子さんの「お父さんには、言わないで」という言葉に従い、全てを自分の胸の中におさめる事を決意します。

ところが、花子さんのドラッグ摂取は、その後も続いてしまいます。実は、花子さんは、すでにドラッグの禁断症状が激しくなっていて、ドラッグから離れられない様になってしまっているのです。

そのうちに、お父さんも花子さんの様子がおかしい事に気がつきます。花子さんは、しょっちゅう無断外泊するし、時々視点が定まらなかったり、訳のわからない事をしゃべったりするからです。お父さんは、お母さんを詰問し、その結果、花子さんがドラッグをやっているらしい事を知ります。

お父さんは、花子さんをきつくしかり、ドラッグをやめる様に言いますが、花子さんは、ふてくされて聞く耳を持ちません。さらに、花子さんは、お母さんが「お父さんにはないしょにする」という約束を破った事にはらをたて、その後、ほとんどお母さんと口を聞かなくなりました。

お父さんとお母さんは、花子さんをどうするかについて話し合い、結局、「病院や、セラピー等の外の機関に援助をたのむ事はせず、自分達で解決する」事にします。

「自分達で解決する」事になったものの、実際に花子さんのドラッグの問題に対応するのは、結局お母さんの仕事になってしまいます。お父さんは、あいかわらず毎晩帰って来るのが遅いし、太郎君は、相変わらず引きこもり状態で、たよりにならないからです。

お母さんは、花子さんの留守中に花子さんの部屋をチェックし、ドラッグを見つけては、ゴミ箱に捨てたり、言動がおかしくなった花子さんを部屋に閉じ込めて鍵をかけたりします。

ところがそれは逆効果で、花子さんは、お母さんが部屋をチェックした事を知ると、激しく怒り出し、ある時などは、包丁をお母さんに投げつけた事までしました。それでも、お母さんは、「花子もそのうち自分の愚かさに気づいて、ドラッグをやめるだろう」と信じようとします。

そして、悪い友達から花子さんを切り離すために、警察に相談する事も考えましたが、花子さんが高校を退学になったら大変なので、結局自分達家族の中だけで問題を処理する事にし、あくまで、外見は健全な家族を演じる事にしました。

しかし、花子さんの物質依存は、ますますエスカレートし、いくら部屋に閉じ込めても、窓を壊して外にドラッグをやりにいったり、ドラッグを買うために、家のお金に手をつけたりする様になりました。十万円単位のお金を花子さんが使っても、お母さんはなんとか家計をやりくりしました。

この頃になると、お父さんとお母さんの夫婦仲もおかしくなっていきました。

お父さんは、花子さんがドラッグにおぼれるのは「母親の教育が悪い」と言い、お母さんにしてみれば、何もしないで文句ばかり言うお父さんに不満がつのりました。そして、ふたりは、毎日の様に、花子さんの事で言い争う様になりました。

ふたりがいくら言い争った所で、花子さんの物質依存はおさまるわけもなく、また、夫婦間の争いは、花子さんに無断外泊の口実を与える様なものでした。花子さんの夜遊びは激しさを増し、ついに、ボーイフレンドとドラッグをやっているところを検挙されてしまいました。

以上が、子供が物質依存者になった時に、家族がおちいりがちなパターンです。

この中で、重要な役割を果たしているのは、お母さんです。
娘がドラッグをやっている事に気づいた時、お母さんは、花子さんの「もうやめる。」と言う言葉を信じ、また彼女の「お父さんには、言わないで」という言葉に従い、問題を自分の胸の内だけにおさめました。

しかし花子さんのドラッグ依存はおさまらず、結局、お父さんに花子さんのドラッグの問題を話すはめに陥りました。それは、花子さんとの約束を破る事になり、それが花子さんにとっては、ドラッグをやる良い口実になりました。

また、お母さんが勝手に花子さんの部屋をチェックする事も、「イラつく」原因となりました。彼女にしてみれば、「母親に裏切られて」はらがたつから、部屋をチェックする母親に「イラつく」から、ドラッグでスカッとするという訳です。

こうして、花子さんのドラッグへの依存は悪化の一途をたどり、ついに警察に保護されるという最悪の事態に陥ってしまいました。

お母さんとしては、一生懸命家族を健全な状態に戻そうとしたのですが、結局やることなすこと裏目に出てしまった様です。

花子さんのお母さんの様な人を、共依存者と言います。

彼女(彼)達は、無意識のうちに他の家族メンバーの物質依存をエスカレートさせてしまうのです。
例えば、いやいやながらお父さんにお酒を買ってくる事が、お父さんがよりお酒を飲む理由付け(「辛気臭い顔するから、酒が飲みたくなる」)に使われてしまったし、花子さんの部屋を片付けた事が怒りを買い、結局花子さんが家を出るきっかけとなってしまった等です。

お母さんは、家族を守りたかっただけなのです。そして、それは自然な感情です。でも、その事に一生懸命になりすぎて、お母さんは問題の本質を見失ってしまったのです。

共依存は、なぜ事態を悪化させてしまうのでしょうか?
どうしてお母さんが問題の本質を見失ってしまったのでしょうか?
問題の本質とはなんだったのでしょうか?
そして、お母さんはどうしたらよかったのでしょうか?

次回は、今回のトピックの続編として、こうした疑問について考えてみたいと思います。


(向後善之)

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