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役に立つ心理学コラム「強すぎるグループ規範の影響」
強すぎるグループ規範の影響
(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
企業の方々から、職場を活性化するにはどうしたらよいかというお話を聞きます。
具体的には、「活気があり、意見が言いやすく、創造性が発揮できる職場環境を作るにはどうしたらよいか」ということに集約されるかと思います。
まず、うまく機能しているグループは、メンバーそれぞれの考え方の違いを尊重し、反対意見も許される雰囲気があるので、個人が意見やアイデアを出しやすい環境となりますが、うまく機能していないグループにおいては、その反対で、柔軟性がなく、反論が許されない雰囲気があり、個人が意見やアイデアを出しにくい環境であると言えるでしょう。
【うまく機能していないグループ】の要因はさまざまありますが、今週は、その中で「強すぎるグループ規範」と「カテゴリーエラー」についてお話して、自由な発想が出やすいコミニケーションスタイルについてお話したいと思います。
グループ規範とは、「メンバーが一定の様式で行動し、一定の態度を所有するように働きかける無意識的な集団圧力」と定義されます。グループ規範は、それが適切なレベルであれば、メンバーの結束力を高め、グループがひとつの方向に進むときに効率的に作用します。
ただし、「みんなと同じ方向の意見を言わなければならないような暗黙の雰囲気ができてしまう」ような、「見えないルール」ができてしまうと、グループの機能は著しくそこなわれます。
強すぎるグループ規範により、個人の意見や考え方の違いが尊重されない環境が生まれ、グループ規範に反する意見は採用されなくなり、グループ内を不安・恐怖の雰囲気が支配するため、
メンバーは、独自のアイデアを提案する気力を失うといった状態になります。
こうした状況は、会社内だけではなくいたるところに見られる現象で、公園デビュー、いじめなどの背景には、強いグループ規範があります。また、歴史的に見ても、幕末志士の間の「尊王攘夷論」なんかも、強いグループ規範の例と言ってよいでしょう。
幕末の志士の中で、「尊王はわかるけどさぁー。開国してもええんでないかい??」なんて言おうものなら、文字通り首が飛んだでしょうね。怖い怖い。
次回は、こうした強すぎるグループ規範を巧妙に作る「カテゴリーエラー」についてお話しましょう。
(向後善之)