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役に立つ心理学コラム「「クラッシャー上司」」

「クラッシャー上司」

最近、特定の管理職のみにうつを病んでしまう部下が多い、という現象が注目されるようになっています。

一部では「クラッシャー上司」と呼ばれ、心の病にかかった部下自身ではなく、上司に問題があるのでは、という考え方が増えてきているようです。


<クラッシャー上司とは>
「クラッシャー上司」というのはとても語気の強い言葉ですので、部下を潰す非情な人間像をイメージされるかもしれません。
部下に対して怒鳴ったり言葉の暴力で相手を威圧しコントロールする、またノンバーバル(非言語的)にも表情で相手を戸惑わせたり恐怖心を味わわせること、無視することなどもあります。

部下を潰すという悪評はあるけれど、実際に能力と実力があり会社の必要悪的な存在。その上の人間も注意はするものの、その実力ゆえ切るに切れず、部下も致し方ないと考え、その結果パワハラまがいの行為は放置されてゆきます。

本人はどんどん出世しますが、「俺は部下を5人もうつ病にしてきた!」などと吹聴するような方もいて、実際に部下はどんどん精神的に倒れていきます。
家族についても、妻がうつ病・子どもが登校拒否など、本人の被害が家庭にまで及ぶこともまれではありません。それでも本人は罪悪感を明確には自覚できないことが多いようです。


<性格の特徴>
クラッシャー上司と言われる人たちには、ふたつのタイプがあるように感じます。

ひとつは自己愛の強くプライドが高く、会社からの評価ばかり気にする臆病で心配性、部下の成長を見守る力に欠け、包括的に物事が捉えられないタイプです。

もうひとつは職人気質で真面目で結果を何より大事にしている、会社に対する忠誠心の強いタイプです。

後者の場合は自分にとても厳しく、自分のことを二の次にしているため、周りで甘えていると感じられる人たちが許せなかったり、周りにも自分のような姿勢をどこかで求めてしまうところもあるようです。

どちらにも共通している部分は、仕事能力が極めて高く成功しているところ、そしてコミュニケーションに偏りがあるところです。


<クラッシャー上司によってうつを病む社員が増加>
上司の言葉や非言語の部分での暴力やコントロールされることに無力感を覚え、モチベーションを見出せず、自分を過小評価し始めたり、屈辱と挫折でうつ状態からうつ病になるケースも増えています。

また、非常に仕事ができる人たちなので、部下の失敗を尻拭いしたり、失敗がないように常に前に前にセーフティネットを敷くため、部下自身も「自分が信頼されていない」感を味わうことや、失敗や挫折から学ぶチャンスがなくなってしまうこともひとつの要因としてあるのでしょう。


<クラッシャー上司の増加の原因>
もちろん、これまでにもその存在はあったはずですが、「クラッシャー」と呼ばれる類の上司は増加の傾向があるように感じます。
増えている原因に考えられるのは、やはりコミュニケーションの変容が大きくあるように思います。

インターネット、携帯電話やメールでのやりとりでコミュニケーションをとることはより便利な反面、失うものも大きいようです。
これらのものがなかった時代には、私たちは面と向ってコミュニケーションをとる機会が多く、言葉のやりとりのみならず相手の感じていることを非言語的な部分から感じ取ることも自然にしていたと思います。

生でぶつかり合うことを多く経験してきた世代とそうではない世代とのギャップもありますし、伝えたいことが連絡事項のみになりがちな面など、その背後にある思いが伝わりにくくなってしまうのは残念な面でもあります。

興味深いところは、クラッシャー上司と言われる人たちもかつては、クラッシャー上司の部下であったケースが多いことです。
しかし、当時はしっかりぶつかり合うことも今と比べてはあったように映ります。だからこそ、かつて大嫌いだった上司と後になって分かり合える仲になっているケースも時々あります。

中には上の立場に就く人たちが彼らを利用して、言いにくいことや不満などをクラッシャー上司と言われる人たちを通して言わせたりすることもあるようです。


<カウンセリングでのコミュニケーション改善>
「クラッシャー上司」と呼ばれる人たちも、赤ちゃんの頃からクラッシャーだったのではありません。
これまでの経験の中で生き抜くために身につけた考え方のくせや姿勢の結果ですので、それらを一度振り返っていきます。

実際に部下に対する不満についてもお話してもらい、そこでそのシチュエーションを再現してもらいます。そこで暴言を吐きたくなったり、相手を無視したくなる感情に着目し、それをすることでされた側の立場を考察していきます。これは私が教えたり、アドバイスするのではなく、本人に気がつくかたちで進めていきます。

イライラや悲しくなる感情そのものが出てくるのはとても自然なことですが、コントロールするのは感情ではなく行動だということを体感してもらいます。そして、怒鳴ることで気持ちが良くなるわけではなく、怒鳴った後も残る感情も着目し、それらとどのように付き合っていけるかを一緒に考えていきます。

怒りたくなる時のトリガー(きっかけ)をノンバーバールメッセージで探し、どこで怒りのポイントに当たるのかボタンを見つけ、自己コントロールを覚えていきます。
どうしても怒鳴りたくなってしまいそうになったらタイムアウトで、その場を短くても20分以上離れてもらいます。(できれば1時間以上が好ましい)

また再現してもらった状況をロールプレイで、私がクラッシャー上司役を演じ、言われる立場を体験してもらうこともあります。
可能ならビデオを撮って自分が周りからどのように映っているのかを見てもらうことも有効です。

中には目の前で攻撃しなくても、メールなどでネチネチした文章を送りつけるケースもあります。その場合、送る側は不愉快でイライラした気持ちを成熟させてから文章を作成していくのですが、送る前に読み返していないケースも多くあります。

部下に批判のメールを書くときは書いた後に十分に時間をおいてから再度読み返してもらいます。そこで、書かなくてもよい内容に気がついたり、そのようなことを言いたかった自分を振り返ることでコントロールし、書き直したり送らないことに繋げられます。

また会社にとってマイナスにならないように頑張っているとしても、時には部下が自分の力で考え、行動し、失敗することが成長につながる点にも目を向けてもらいます。
上に立つ人間として、より効果的で自分にとっても部下にとってもともに成長できるコミュニケーション方法やマネージメント方法を学び、そこから改善を図ります。


<身近なクラッシャー上司や同僚への対処法>
そのケースによっていろいろなので、あくまでも一例ですが、もし身近にクラッシャー上司と感じる人がいた場合は、「これは言い過ぎなんじゃない?」とか「ちょっときついよ」と言ったところで、逆に怒るに値した理由・理屈を言われかねません。

論理で対抗しても、それを上回る勢いで言いくるめられてしまいます。
それよりも、先に「確かにこれは困るよね、怒鳴りたくなるよね」と共感し、それから「でも、その気持ち、怒鳴っただけで(無視しただけで)は全然治まらないよね」と伝えることからスタートできるかもしれません。

そこで「Aさんの気持ちはもっともだけど、それじゃあいつが潰れてしまったり、Aさんに対して不信感や不満(時にはウラミ)がつのるだけでもったいないんじゃない?」と話してみます。

また、言われた部下に対してのサポートは絶対に必要です。
クラッシャー上司は自分が心配性であったり、本当は目の前の失敗を受け取れない、もしくは避けようとする人間的な弱さがあります。どんなひどいことを言われても、その上司が言うことや判断を、やられた部下が自分の評価としてそのまま受け取ることはありません。自分の評価はその上司ではなく自己評価をすることが何よりです。

何よりも1人で取り組もうとせず、周囲が一体となって向き合うことが肝心です。被害を受けた部下のサポートとしては、
@クラッシャー上司がみている評価ばかりが本当の評価ではないこと
A上司の振る舞いの裏には本人の弱さがあることの理解を促すこと
B失敗に対して協力していく姿勢
が挙げられます。

部下ができることとしては、クラッシャー上司に言われた時に沈黙することも取り入れてみてください。
その時に大事なのは下を向かずに相手の目をじっと見ることです。上司は怒っているようで実は恐怖の表情をしていることもあるのです。その恐怖とはもともとある臆病な面、心配性なところから出ていることに気がつくと、自分に対して怒っていても本人が抱えている恐怖をぶつけていることに着目できます。

同僚の立場の場合であれば、クラッシャー上司に対して「このままのやり方では双方辛いだけで、部下が成長しない」ことを伝え、そのまま続けるようなら、人事に報告し改善を求めるのが良いと思います。
実際にカウンセリングを受けてもらうことができれば、大きな効果を期待できます。

(青山初音)

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