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役に立つ心理学コラム「「パワー オブ ダンス〜吉福さんのセラピー〜 7」-2」

「パワー オブ ダンス〜吉福さんのセラピー〜 7」-2

吉福伸逸さんのセラピーについての第7回です。
今回は、アクティングアウトに対する対応についてです。

・アクティングアウトへの対応

多くのセラピストは、クライアントにアクティングアウトを起こさせないように細心の注意を払っています。しかし、アクティングアウトは、いくら注意しても起こるときには起こるのです。

ほとんどの病院やカウンセリングオフィスでは、アクティングアウトしたクライアント(患者)に対して、徹底的に沈静化する方向でアプローチするものです。

クライアントがアクティングアウトしたとき、精神科医、セラピスト、看護師、ソーシャルワーカーなどの専門家は、恐怖を感じるでしょう。そうなると、前述したように、即座に沈静化のための対処(数人でおさえつける、投薬するなど)をはじめようとするでしょう。それが、アクティングアウトをしているクライアントをさらに興奮させます。その興奮が、専門家達をより緊張させ・・・といった悪循環を招くのです。アクティングアウトは、今まで抑圧していた感情が、抑えきれずに表出し、行動が暴走する状態です。従って、それを無理矢理抑えてしまったら、結局今までその人自身あるいは、その人の廻りの人たちが行ってきたのと同じ抑圧をしてしまうことになるのです。セラピストが、クライアントのアクティングアウトを無理矢理抑え込もうとするのは、セラピストの恐怖心のあらわれです。そのため、過剰な介入になりやすいのです。

これは、クライアントのアクティングアウトのエネルギーに、専門家達が過剰に反応するあるいは怯えるといったかたちで乗ってしまい、そのエネルギーを強化する雰囲気を作ってしまっているということを示しています。このようなアプローチでは、多くの場合、最終的な解決は、薬の増量ということになりがちです。そして、投薬量が増えるに従い、クライアントからは覇気が無くなり、頭の働きも鈍り、周囲からは、ぼやーっとした印象になります。その結果、怒りなどの激しい感情表現はみられなくなり、アクティングアウトは避けることができるようになります。しかし、これは、対処療法的な対応で、断じて根本的な解決ではありません。

吉福さんのアプローチは、違います。アクティングアウトが起きてしまったら、それにあわせた対応をすれば良いという考えでした。吉福さんは、さらに、「アクティングアウトは、変容のためのチャンスだ」とも言っていました。アクティングアウトというある種暴力的な表現方法は問題なのでしょうが、それは、クライアントがそれまで抑圧してきた感情を外に向って表現している行為でもあるのです。吉福さんは、感情のあらわれ自体は歓迎すべきことだと言います。つまり、暴力的な表現方法には世間的には問題があるのだろうけれど、アクティングアウトに至る情動は理解し探求すべきものだということです。

吉福さんは、クライアントがどんなに大声を出そうが、騒ごうが、暴れようが、基本的にいつもとまったく変わらない姿勢で対応します。まず、呼吸が穏やかです。そして、しっかりとクライアントのことを見つめています。それも睨みつけるのではなく、穏やかに見つめて、「なにがあったんだい?」などと、いつものトーンで問いかけるのです。

アクティングアウトをしたからと言って、そのエネルギーがいつまでも続くわけではありません。吉福さんによれば、受容的な雰囲気の中で、その人の自然なプロセスが進んでいくのを邪魔せず、「クライアントのプロセスを徹底的に信頼する」姿勢を示し続ければ、アクティングアウトは、自然に沈静化していくと言うのです。

吉福さんは、アクティングアウトをしている人の前でも、いつもと変わらず「じっとそこにいる」わけです。

そうした中で、クライアントは、アクティングアウトがやがておさまっていくプロセスを、自分自身で目撃することになります。その経験はクライアントを成長させるのです。自分の感情に対する恐れが少なくなるのです。その結果、その人は、自分の感情を静かに見つめることができるようになります。

やがて、クライアントは、アクティングアウトのきっかけや、それに関連するさまざまな心理的葛藤について、セラピストに少しづつ話すようになるのです。

人は、さまざまな思い込みによって自分自身を苦しめます。例えば、実際には根拠が無いのに、「自分はダメな人間だ」、「自分はだれからも認められない」、「自分はいるも失敗する運命にあるのだ」などと思い込んでしまうことがあるのです。こうした、実際には根拠が無い思い込みは、心理学用語では、「歪んだ信念」と呼ばれます。

例えば、「自分はだれからも認められない」という歪んだ信念があると、「人から認められたい」という気持ちとの葛藤をひき起こします。この葛藤が、その人を苦しめ、その結果が極限まで激しくなると、アクティングアウトにもなり得るのです。

歪んだ信念は、独特のストーリーを作ります。「自分はだれからも認められない」という歪んだ信念を持っている人は、自分のまわりで起こるすべてのことをその信念によって解釈するので、実際には受け入れられていたとしても、それに気づくことはありません。そのため、その人の世界観は、孤独で暗いものになります。たとえば、「自分は、認められたいと言う希望を持ってきたが、それはかなわない期待だった。今までも認められることは無かったし、これからも無いだろう」といった世界観です。

吉福さんは、そうした世界観を「ドラマ」と呼びました。クライアントが自分自身の心理的葛藤を語る時、吉福さんは、それこそ、全身全霊でその人の訴えを聴くのです。自分の葛藤を真剣に受けとめてもらい、一緒に考えてもらえるという体験をすると、その人の「ドラマ」は、少しづつ変化し、歪んだ信念はその力を失っていくのです。

これが、吉福さんのセラピーのおおまかな流れです。まとめると、以下のようになります。

1)クライアントに生じる小さな反応に気づく。

2)その反応を拡大・強調し、プロセスを促進する。

3)プロセスが動き出したら、そのプロセスに寄り添う。

4)クリアントのドラマを理解し、別の見方が無いか、一緒に考える。

5)必要なだけ1)〜4)を、繰り返す。

6)クライアントが「ドラマ」から抜け出す。
こうしたセラピーを行うために、セラピストには、繊細さと、アクティングアウトにも動じない強い意思が必要となります。
<つづく>
向後善之

(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)

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