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役に立つ心理学コラム「「統合失調症は治るのか? その1」」

「統合失調症は治るのか? その1」

以下は、統合失調症と診断されるであろうクライアントが、まったく投薬治療せずに回復した例です。

僕は、なにをしたわけでもなく、ある偶然から劇的に回復した事例です。知らず知らずのうちに、僕は、オープンダイアローグをしていたのかもしれません。アメリカでの事例です「(わかるカウンセリング」コスモスライブラリーより)。当然のことながら、本人が特定できないように工夫しております。

 カウンセラーの最も重要な仕事のひとつは、クライアントの訴えを聞くということです。ただ聞くだけではなく、クライアントの見ている世界を共感的に理解するために、同じ視線で話を聞くといった姿勢が必要です。

 以前、精神病的な症状を持ち、その発症前から不登校の問題をかかえているティーンエイジャーのCさんという女性クライアントを担当しました。彼女はアメリカ人です。彼女の精神病的症状のもっとも特徴的だったのは、幻聴(きこえるはずのない音や声が聞こえる)と幻視(見えるはずのないものが見える)でした。彼女は、私が担当する少し前に事故死した兄の姿をよく見ると言います。また、蛍光灯、テレビ、ラジオ等から、宇宙からのメッセージ(「あいつは悪魔だ」等)が聞こえると言うのです。

 彼女の情緒は不安定で、また彼女の語る話は、あちこち脱線してまとまりがなく、私は、彼女とのセッションが長くなるであろうことを覚悟しました。彼女の様に妄想の傾向がある時、「それが妄想である」と指摘するやり方もあるのですが、最近では、多くのカウンセラーが、少なくとも最初のうちは、「まず話しを聞く」という立場をとります。話をクライアントの視線で聞くことにより、クライアントの見ている世界を理解しようとするのです。私もこのクライアントのセッションの進め方として、まずは「傾聴する」という態度で接することにしました。彼女の話の中で、最も多く登場したのは、彼女が飼っていた金魚の話しです。彼女は金魚と話ができると言います。金魚にはそれぞれ名前がついています。最も大きな金魚はマリア、一番ちいさな金魚はベス、そして元気なロイ等々、彼女の語る金魚の世界は、個性的でバラエティーに富んでいます。そして、それぞれの金魚が彼女の身近な人達及び、彼女自身の人格を示している事は明らかでした。おそらく、マリアは、彼女の母親、ベスやロイは、彼女の人格の一部を代表していたと考えられます。

 彼女とのセッションは、まず、この金魚たちの話から始まります。マリアは、いつも威張っており、水槽の中を我が物顔で泳いでいます。小さいベスはおとなしく、水槽のすみっこにいるのが好きで、ロイは元気で、水槽の中をあちこち泳ぎまわっています。彼女によれば、マリアを怖がっていないのは、ロイだけなのだそうです。彼女とのセッションの多くの時間が、この様な「金魚物語」で占められました。彼女は、私にとってはじめての精神病のクライアントで、こうした進展性のない(ないように見える?)セッションには、とまどいを覚えました。また、彼女は精神科医にもかかっていたのですが、処方された薬を「毒だから」といって飲んでくれないことも問題でした。一般的に精神病のクライアントには薬が必要です。精神科医も私も薬をちゃんと飲むように説得したのですが、結局彼女は、私とのセッションの間薬を飲むことを拒み続けました。私は、「金魚物語セッション」を続けるしかなく、先の見えない彼女の話しを永遠と聞き続けることになりました。彼女の金魚物語は、とても生き生きとしていて、それぞれの金魚の個性がはっきりしていて面白く、彼女の話にひきこまれることもしばしばで、「先の見えない」ことや薬を飲んでくれないことに不安を覚えたものの、彼女とのセッションは楽しいものでした。そして、私は、ただ彼女の話を聞くだけでなく、「その時ベスはどんな気持ちだったんだろう?」等の質問をしながらセッションを進めていきました。

 彼女とのセッションが始まり1ヶ月半程たったとき、金魚の世界に事件が起こりました。その事件直後のセッション前、彼女は、待合室でしょんぼりとした様子で、時間が来るのを待っていました。彼女の様子がいつもとちがうので、私は、どうしたのか彼女に聞きました。彼女によれば、「昨日ロイが自殺した」のだそうです。ロイは、元気に泳ぎすぎたらしく、水槽から飛び出してしまい、彼女が部屋に入った時には、もう死んでしまっていたのだそうです。彼女はセッションルームで泣き出しました。ひとしきり泣いた後、彼女は、「でも、私は、ロイがうらやましい、外に出ることができたのだから」と言いました。彼女の家は、何事にも厳しく、自由に外出することも許されず、友達つきあいも制限を受けていました。彼女は、支配的な母親の機嫌を損なわない様に、いつもビクビクしていなければならなかったのです。家の中での彼女は、金魚のベスだったのです。同時に、彼女の中には、ロイの様に自由に動き回りたいといった願望があったのです。

 「でも、私は、ロイがうらやましい、外に出ることができたのだから」は、彼女がはじめて自分の感情を、「私」を主語にして語った瞬間でした。彼女は、「窮屈な生活から抜け出し自分らしく自由に生きたい」という願望を、金魚のロイに投影していたのです。そしてこの時、それがロイの気持ちなのではなく自分自身のものであることを理解したのです。

 このセッションの後、彼女は、金魚の話をほとんどしなくなり、会話の主語は、「私」が主体となっていきました。彼女の妄想や幻覚がみるみるうちに無くなっていき、開始から4ヶ月で精神病的症状が無くなり、彼女が通常の生活に復帰してカウンセリングを終了しました。彼女の場合、精神病的症状は、慢性的なものではなく、一過性の精神病のひとつである分裂病様障害であったと考えられます。そして、私が5ヶ月あまりのセッションの中で行ったことは、ほとんど聞くことと、質問することでした。

(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)

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