本ウェブサイトでは、スタイルシートを使用しております。このメッセージが表示される場合には、スタイルシートをoffにされている、またはブラウザが未対応の可能性があります。本来とは異なった表示になっておりますが、掲載している内容に変わりはありません。

以下のリンクより、本文へジャンプができます。

カウンセリング ハートコンシェルジュ > 役に立つ心理学コラム>コフートと自己心理学 その2

役に立つ心理学コラム「コフートと自己心理学 その2」

コフートと自己心理学 その2

ハインツ・コフート(1913-1981)は、オーストリア出身の精神科医。後にアメリカに移住した。シカゴ精神分析研究所で精神分析家の資格を得、その後、自己心理学を提唱した。

コフートは、従来の精神分析の重要な概念である転移に、自己対象転移という新たな視点を加えた。

転移は、過去の人間関係によって形成される特定の感情や行動のパターンである。例えば、過去に父親から虐待された経験のある女性が、年上の男性のカウンセラーに対し恐怖を感じ、萎縮し会話が困難になるという反応をするといった転移を示すかもしれない。

一方自己対象転移は、過去の人間関係で得る事のできなかった欲求を反映した特定の感情や行動のパターンである。例えば、十分に無条件の愛情を受けた経験のない人が健全な自尊心を育てることができず、自分の悩みなどはくだらないと感じ、治療者に対し「こんなくだらない話しをして申し訳ない」と感じてしまうなどの反応を示すことがあるが、これなどは、自己対象転移の典型的な例である。

自己対象転移には、鏡転移、理想化転移、双子転移の3つがあるとした。

鏡転移は、十分に無条件の愛を得られなかった場合に起こる、賞賛を求める傾向を示す。自尊心が低く、自分を一段下に見る傾向がある。前述した「こんなくだらない話しをして申し訳ない」という反応は、その例である。また、カウンセラーを喜ばそう、楽しませようとする鏡転移もよく見られる。

理想化転移は、特定の他者を自分の理想とし、その他者のようになりたいという欲求が満足させられなかったことによって起こる自己対象転移で、他者を過剰に理想化する傾向として表れたりする。カウンセラーの経歴や資格を過度に賞賛する等の形で理想化転移は表面化することが多い。

双子転移とは、社会の中で必要とされる他者と同じような資質を自分も持ちたいという欲求が十分に満足されない場合、他者との共通点(同じ出身地、同じ好みなど)を求める傾向として表れたりする。カウンセリングセッションの中で、カウンセラーと自分(クライアント)の共通点を執拗に見つけようとする傾向として表面化することも多い。

自己の受けた傷の治癒は、こうした自己対象転移を起こさせた「満たされなかった欲求」が満足されることによって起こり、その際に最も重要なのは、治療者による共感であるとコフートは考えた。

このように、自己心理学は、共感の重要性を強調しており、過去に得られなかった欲求が満足される事により自己成長するとも解釈できることなどから、カール・ロジャースらの人間性心理学との共通性を指摘されることがあるが、コフートは、そうした解釈を嫌い、自己心理学はあくまで精神分析学から派生したものであると考えていた。


(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)


役に立つ心理学コラム 目次

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリングカウンセリング(366)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリング心理学(43)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリングカウンセリング技法(17)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリング家族・学校(52)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリングナルシズム(24)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリング解離、自傷、過去吸(23)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリングビジネス(144)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリング精神疾患(21)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリング依存(6)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリングカウンセラー倫理(28)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリングいじめ・暴力(93)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリング自己成長・スピリチュアリティ(33)

役に立つ心理コラム|ハートコンシェルジュカウンセリング本の紹介(5)

ご予約・お問い合わせは   フリーダイヤル0120-039-810
火〜金13:00〜22:00 土・祝13:00〜20:00 (日曜日・月曜日定休)

▲ページの先頭へ