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役に立つ心理学コラム「学んで来た事・とりくんでいく事 その47」

学んで来た事・とりくんでいく事 その47

その47 「拮抗する力」・・吉福伸逸さんの言葉の解説

前回「その46」のテーマは、「自分が壊れてしまうほどの感情は出てこない」でした。その中で、無理矢理感情を抑え込もうとすることの弊害をお伝えしました。

実は、もうひとつ、望ましくない介入の仕方があります。

それは、無理に感情を出させようとするやり方です。例えば、行き過ぎた自己啓発系のセミナーなどで、「もっと、声を出せー!」、「本気をだせー!」と言って参加者に無理矢理感情表現をさせるなどの介入の仕方です。

こうしたやり方では、「強く激しい感情を表現した方が正しい」という価値観が、その場を支配することになっていきます。つまり、本来もっとも大切なプロセスが無視されて、結果が過度に意識されることになってしまうのです。プロセスは純粋に「自分のもの」なのですが、結果を意識するということは、必然的に他人の目を意識することになります。このため、無理に感情を出させるようなやり方は、参加者間のヒエラルキーを生むとともに、セラピストのカリスマ化に繋がってしまう危険性を持っています。「感情を充分に表現できたかどうか」セラピストにおうかがいをたてるような状況になりがちだからです。私自身を振り返ってみると、クライアントが強い感情を表現したら、「今日は良いセッションだった」などと勘違いして、過剰介入していた時期がありました。お恥ずかしい限りです。

そうした過剰な介入をする人たちは、「感情を充分に表現できなかった」というのも、その人の表現なのだということを忘れているのです。セラピストは、常にクライアントのプロセスによりそっていくことを心がけなければなりません。

無理に感情を出させるようなアプローチでは、「感情をうまく表現できない」クライアントを傷つけてしまうことにもなりかねないのです。

吉福さんのアプローチは、そうした感情表現を無理強いする介入の仕方とは、全く異なります。相手の力にほんの少しプラスαの力を加えるという感じです。それを吉福さんは「拮抗する力」と表現しました。

それは、言葉によるアプローチにおいても、身体的なアプローチ(ソマティック)においても同じです。わかりやすくするために、身体的なアプローチを例にとって説明しましょう。

感情が抑圧され、無意識化されているとき、その抑圧は筋肉の緊張・硬直といった形で表れます。これは、ライヒが「筋肉の鎧」呼んだものです。抑圧していた感情が表面に出てこようとするときその筋肉の鎧に変化が起きてきます。変化は、微妙な震えなどの動きとなって表面化してきます。

セラピストは、たとえばその変化している部分に手を当てます。手を当てられたことにより、クライアント(ないしは、ワークショップの参加者)は、身体的な反応に気づきます。身体的な反応に気づくと、その反応は大きくなっていきます。その反応にあわせて、セラピストは力を入れていきます。このとき、力を入れすぎず、あくまでクライアントの力に沿って、「拮抗した力」をかけていくのです。

私の解釈では、セラピストの「拮抗した力」は、クライアントの筋肉の鎧を肩代わりしたものだと考えています。筋肉の鎧は、やみくもに感情を押さえつけてしまうのですが、セラピストの「拮抗した力」は、クライアントの感情を表現しようとするプロセスにおける葛藤によりそった力です。

そして、セラピストは、クライアントの感情が表面化する瞬間に触れていた手を離すのです。それとともに、クライアントの感情は流れ出します。その後、セラピストは、クライアントの感情の表現というプロセスを徹底的に信頼し、そこにいるのです。

どんなに激しい感情が出てきても、それはクライアントが壊れるような感情ではありませんし、そのプロセスは、余計な介入をしなければ、その人にとってもっとも良いところにつれていくのです。

しかし、必ずしもこのようにプロセスが進んでいくわけではなく、クライアントが、結局抑圧されていた感情をうまく表現できない場合もあるでしょう。出てきそうだった感情が引っ込んでいってしまうということもあります。その場合は、まだその人にその感情を表現する準備ができていなかったのかもしれません。(今は)表現しないというプロセスにも、セラピストは、ノンジャッジメンタルに寄り添う姿勢が必要でしょう。少なくともクライアントは、そこに(抑圧された)感情があることに気づいたのですから、セラピストは、そのことに敬意を払い、そのプロセスを尊重するのです。


(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)


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