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役に立つ心理学コラム「学んできた事・とりくんでいく事 その41」

学んできた事・とりくんでいく事 その41

その41 「全く問題ない」・・吉福伸逸さんの言葉の解説

2014年に最初にご紹介する吉福さんの言葉は、「全く問題ない」にしました。

迷っているときに、このように言い切ってもらうと前に進む勇気が出ました。そして、この「全く問題ない」は、ジャッジメンタルでも上から目線でもないのです。説明するのがとても難しいのですが、その言葉の背景には、なんとも言えない暖かさがありました。「それでいいんだよ。思ったようにやりなさい」と言われているような感じがしたものです。

以下の文章は、日本トランスパーソナル学会のニュースレターの記事を加筆修正したものです。いつもの回と違って、言葉の解説というよりは、吉福さんとのかかわりについて書いています。

伊豆での打ち合わせ場所に着き、「はじめまして、向後です」とご挨拶すると、トレードマークでもあったボーダーのTシャツとキャップをかぶった吉福さんが満面の笑みを浮かべ、「あなたが向後さん?吉福です〜」と手を差し出され、私はそれに答えて握手をしました。これが吉福さんとの最初の出会いです。2005年のことでした。

そのとき、私は緊張していました。私は70年代後半から80年代にかけて、むさぼるように吉福さんの「トランスパーソナルとは何か」、「意識の臨界点」などの著書や訳された本を読んでいました。ラム・ダス、ウィルバー、グロフ、ハックスリー、カプラなどの人たちを知ったのは吉福さんの本を通してのものです。私は、トランスパーソナル心理学の魅力にとりつかれました。こんなに面白い学問があるのかと思いました。吉福さんの本が最初のきっかけになり、私は勤めていた会社を辞め留学しセラピストになりました。吉福さんの活動はその後トランスパーソナル心理学の枠組みをはるかに超え、思想・経済・技術・政治などを含む統合的な視点から世界の新たなあり方を模索する方向に進んでいきました。そんな吉福さんは私にとっては、尊敬する人ではありますが、同時に雲の上の人だったのです。ですから、吉福さんにはじめてお会いするというワクワク感とともに、どうもエライ人が苦手な私には不安もありました。頭の固い上から目線のエライ方だったら、私はいっしょに仕事をする自信が無かったのです。

その雲上人が、こんなにきさくに接してくれるなんて、私には驚きでした。そのあといろいろなお話をして、「末席でもいいからこの人の仕事に加わりたい」と生まれて初めて痛切に感じました。

やがて、私は年2回のTEN JAPAN主催の吉福さんのワークショップに半分参加者半分アシスタントとしてかかわるようになるのですが、お会いするときはいつでも最初と同じように、吉福さんの笑顔と「やぁ〜、向後さん」で始まりました。

吉福さんのワークショップは、単に抑圧して来た感情を解放するだけではなく、毎回、自分の思い込みを知ったり、反復強迫的なパターンに気づいたり、自分のエッジに直面していくうちに、新たなテーマが見えてくるプロセスがありました。それも自然な形で、気がつくとそこにあるという感じでした。

だから、新鮮でワクワクすることばかりではなく、自分の暗部に直面して苦しくなる事もありました。私自身も自分自身に向き合うのが苦しく逃げ出そうと思ったことがありました。吉福さんは、「クライアントのプロセスを徹底的に信じる。プロセスは、その人にとってもっともよい場所につれていってくれる」と言われていました。私も含め参加者の皆さんが自分のエッジに直面しているときも、吉福さんはプロセスを徹底的に信じて見守ってくれていたのだと思います。あのとき逃げないでよかったと思います。

吉福さんがこうしたワークショップを行うのは、非常に難しいケース例えば、統合失調症や双極性障害などにきちんと対応できるセラピストを育てるためでした。そうしたクライアントさんたちはとても敏感ですから、セラピストの方にごまかしがあったら、まったく対応ができないのです。そのため、徹底的に自分を見つめる経験が必要なのです。

2013年5月に発行された日本トランスパーソナル学会のニュースレターで、私は巻頭言を担当しました。4月の始めに原稿を書きはじめていた時、吉福さんから電話がありました。そのとき、ご自身が末期がんであることを告げられました。私は、5月に吉福さんに会いに行きますと言ったのですが、吉福さんは「そのときは、もう話せないかもしれないね〜」と言われました。
原稿が書けなくなりました。

数日後、書きかけていた原稿を破棄し、吉福さんととりくんできた統合失調症に対するケアに内容を変更しました。その中で吉福さんの考え方を紹介したので、奥様にお願いして、可能であればご本人に原稿をチェックしていただくことにしました。

吉福さんから、奥様経由で「全く問題ない」というお返事をもらいました。

声は聞けなかったけれど、これが吉福さんと私との最後の会話です。

(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)



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