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役に立つ心理学コラム「反復脅迫3」
反復脅迫3
もっとも見たくない現実とは、自分が、特定の人、例えば、親やパートナー、恋人、親友のような大切な人から愛されていなかった、尊重されていなかったと認める事です。自分の存在自体が「愛されていない」、「尊重されていない」よりも、自分に落ち度があって責められたりだまされたりしているとした方が受け入れやすいのです。「彼は私を愛していた(尊重していた)が、私が、あまりに未熟だったので、彼は、私に暴力をふるったのだ(私をだましたのだ)」と解釈できれば、「彼が自分を愛していなかった(尊重していなかった)」と考えるより、少しは楽なのです。しかし、それは、代用満足です。
残念ながら、そういう大切な人たちから、愛されていない、尊重されていないということは、あり得ます。世の中には、人から無条件に愛されるということがどういうことか、人を無条件に愛するとはどういうことかがわからない人たちがいるのです。彼らは、真の意味で人を愛する事ができないのです。
だから、真の意味で人を愛する事ができない人から愛されていない、尊重されていないとしても、それはそういう扱いを受けた人たちになにか落ち度があるわけではありません。愛する事のできない人たちの病理の結果なのです。
たとえそれが相手側の病理だとしても、「大切な相手から、自分は愛されていない」と認める事は、とても辛く、苦しいことです。そのため、「本当は、自分は実は愛されていた」、「自分は愛されるべき存在なのだ」という証拠を探そうとして、人は反復脅迫に陥ってしまうこともあるのではないかと考えています。
(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)