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役に立つ心理学コラム「パワハラ被害からの回復」
パワハラ被害からの回復
ここ数年パワハラの被害を受けたという人からの相談がとても多くなってきています。
お話をお聞きすると、たいてい似たような被害内容なことに驚きます。
要するに、パワハラをする側の攻撃には、一定のパターンがあるのです。しかもそのパターンはそれほど多くありません。
例えば、「カテゴリーエラー」と言って話題をそらせてしまうとか、逃げ道を塞いで何を答えても攻撃してくる「ダブルバインド攻撃」とか、そこにいない第3者の話として相手を攻撃する「三角コミュニケーション」などが代表例です。
以下に、それらの会話例を示しましょう。
・カテゴリーエラー
部下 「売上目標は、◯◯の理由で達成できませんでした」
上司 「屁理屈言うな!お前の考えが甘いから、目標を達成できないんだよ」
「◯◯の理由」の話題から、「考えが甘い」という精神論に話題のカテゴリーが変わっています。
・ダブルバインド
上司 「思いついたことを何でも言ってみろ。間違ったって良いんだ。意見を出すことが大切だ」
部下A 「◯◯は、△△だと思います」
上司 「だから、お前は考えが浅いと言うんだよ」
上司 「思いついたことを何でも言ってみろ。間違ったって良いんだ。意見を出すことが大切だ」
部下B 「・・・・」
上司 「なんだ、だんまりか!だからお前はだめなんだよ」
この上司の前では、意見を言っても、黙っていても怒られてしまいます。こうした状態をダブルバインドと言います。
・三角コミュニケーション
課長 「◎◎部長が、お前のことを『最近怠けてる』と言っていたぞ!」
しかし、実際、◎◎部長は、そこまでのことは言っていない。
こうしたハラスメントにおける攻撃パターンを知っておくのが、パワハラ被害から脱する第1歩です。孫氏の兵法じゃありませんが、「敵を知れば百戦危うからず」ということですね。
これに自分自身を落ち着かせる方法、怒りのエネルギーを適切に使う方法をマスターすれば、パワハラによる傷つきは大幅に少なくなりますし、すでに傷ついている人も回復することができます。
ハラスメントによる傷つきは、早い段階で、うつや不安障害といった精神疾患レベル(通院の必要があると言われるレベル)になっていなければ、2回程度の個人カウンセリングセッションで回復します。
向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)