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役に立つ心理学コラム「ハラサーは組織を潰す(9)」
ハラサーは組織を潰す(9)
次に、もうひとつパワーハラスメントの事例を示しましょう。
【事例二】
やり手と評判のG氏がその職場H課のナンバー2として配属されてから、それまで活気がありチームワークもよかった職場の雰囲気ががらっと変わりました。G氏は、現状の職場の雰囲気がぬるま湯だと言い、同僚達のやり方を否定し、新たな方向を次々に提案しはじめました。しかし、G氏の意見はあまりに一方的で、現実的視点に欠けるものでした。例えば、G氏は、まったく事務の仕事量を考慮せず、また収益性や資金的な面でも十分な検討をしていませんでした。時には、「資金がなければ、皆でボランティア精神でやろう」とまで言い出す始末です。
当然のことながら、G氏の提案は他の課員からあまりに理想論的だと反対されました。G氏はそうした反対意見には耳を貸さず、一方的にまくしたてて自分の意見を通そうとしました。最初のうちは、G氏の暴走を抑えることができたのですが、次第にそれも難しくなってきました。
難しくさせた最大の原因は、G氏が事なかれ主義のI課長を巻き込みはじめたことによります。G氏は、ナンバー2という立場を利用しI課長としばしば1対1のミーティングを行うようになり、課員が知らないうちに課の方針が決まっていることもしばしば起こり始めました。G氏の巻き込みはI課長にとどまらずJ部長にまでおよび、三人で毎週のように飲みに出かけるようになりました。その飲み会には、他の課員はだれひとりさそわれませんでした。G氏は、ことあるごとにJ部長とI課長に、課員の無気力さと無能力さを訴えていました。
(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)