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役に立つ心理学コラム「欧米と日本のナルシズムの違い(15)」
欧米と日本のナルシズムの違い(15)
アグリッピーナのナルシズムと満州事変あたりから第二次世界大戦までの日本の軍官僚のナルシズムには、大きな違いがあります。
アグリッピーナは、「あくまで自分が一番であり、全ての人達は、自分に従うべきである」という、非常に強い自意識がありました。
一方、日本の軍官僚たちは、下の者には、アグリッピーナのような傲慢さを示しますが、同僚や、上司、軍内部の世論には、非常に敏感でした。
言ってみれば、欧米型のナルシズムは、あくまで個人的なナルシズムなのですが、日本型のナルシズムは、自分の所属する組織を常に意識したナルシズムなのです。
ですから、日本のナルシズムは、非常に分かりづらいときがあります。なぜなら、一見彼らの行動が、利他的に見えることもあるからです。しかし、その利益は、自分の所属するグループにのみ限られています。彼らにとっては、グループ外の人達のことはどうでもよいのです。
(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
向後善之(ハートコンシェルジュ・カウンセラー)