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役に立つ心理学コラム「薬物依存−4・・リラプス」

薬物依存−4・・リラプス

アルコールや薬物に依存している人達は、一旦お酒や薬物が欲しいという欲求が起こると、その欲求はエスカレートしがちで、そうなってしまうと、もう自分をおさえる事ができないといいます。

ある薬物依存者は、なにかのきっかけで「ドラッグをやろう」と思いついたら、いてもたってもいられなくなり、「100メートルも歩かない内にドラッグを手に入れる」と言っていました。もちろんこれには多少の誇張があるとは思いますが、彼等の心情をよくあらわしています。

ドラッグやお酒を手に入れるために、彼等は最短の方法を用い、またその行動は実に機能的で合理的です。彼等は、そこから最も近くにいるドラッグディーラーと連絡をとったり、デリバリー(!)をたのんだりしてしまいます。
これだけの行動力を例えば仕事にでも生かせば良いのにと思うのですが、彼等には、それができないのです。

こうした衝動的な欲求は、依存から回復しようとしている人達にとっての大きな障害になります。
トリートメントが順調に進み、セラピーにおいて過去のトラウマについてのワークも進み、未来への希望も生まれ、セルフヘルプ(自助)グループにも熱心に通っていてという様に、はたから見ればとても安定していて、もうなにも心配がない様に見える人でも、ある日突然「ドラッグをやりたい」という衝動に駆られ、リラプス(再び薬物を使う事)をしてしまい、元の依存生活にもどってしまう事があります。

今回は、この激しい衝動と戦いリラプスを防ぐ方法について書いていきます。

人が「ドラッグをやろう」と思いついてから、禁断症状になるまで、およそ次の5つの段階を経ると言われています(文献1)。

1.つかのまのアイデア (Fleeting Idea)の段階
突然ドラッグやお酒を思い浮かべる瞬間です。

2.ドラッグ(お酒)へのとらわれ (Mental Attention)の段階
お酒やドラッグに対する「思い」に注意が向いてしまう時期です。
ドラッグやお酒をとっている自分を思い浮かべ、また同時に酔っている時の感覚がよみがえり、「ちょっとだけなら・・」、「今日だけ・・」といった思いがしだいに強くなって行きます。

こうした感覚の記憶(フィーリングメモリー)は、非常に深い記憶で、忘れる事はほとんどできません。こうなると、もう頭の中はお酒やドラッグの事でいっぱいになり、いわゆるトランス状態になり、集中力は失われ、もの忘れをしがちになり、大事な用事をすっぽかしたり、知らないうちに赤信号で道路をわたってしまうなんて事をしてしまったりします。

3.計画 (Making Plans)の段階
具体的にドラッグやお酒を手に入れる手段を考え始めます。
全ての神経は、「いかに効率良くドラッグを手に入れるか」に注がれます。この段階では、もはやドラッグやお酒に対する衝動をコントロールする事は、ほとんど不可能になっていまいます。すなわち、すでに「依存の世界 (world of addiction)」に足を踏み入れてしまったといっても良いでしょう。

4.依存的な出会い (Addictive Encounter)の段階
実際にドラッグやお酒を取り始めます。もうとめられません。

5.二日酔い (Hangover)の段階
「依存の世界」から「現実の世界」にもどっていく段階です。恥・罪・無常感・悔恨・鬱といった感情とともに、さまざまな禁断症状を起こします。

リラプスを防ぐための手段を講じてそれが上手くいくためには、上記の5段階の最初の段階「つかのまのアイデア」の間に何らかの手を打つ必要があります。

2.の「ドラッグ(お酒)へのとらわれ (Mental Attention)の段階」では、リラプスを防ぐのはかなり難しくなり、3.の「計画 (Making Plans)の段階」になると、内面的な世界はすでに「依存の世界」にとってかわられていて、リラプスを防ぐ事はほとんど不可能になります。

すなわち、リラプスを防ぐためには、薬物やお酒に対するなんらかのアイデアが浮かんだらすぐになんらかの方法を考え、行動しなければならないのです。

ドラッグやお酒を思い出すきっかけには、外的な要因(エクスターナル・トリガー)と内的な要因(インターナル・トリガー)があります。

エクスターナル・トリガーとは、例えば他人がドラッグをやっている場面(実際のあるいは、テレビ・映画等の中の)を目撃した、自分がかつてドラッグを買った場所の近くを通りかかった等、ドラッグ・お酒を思い出させる外からのインプットの事です。

また、インターナル・トリガーとは、リラプスを引き起こし得る内面的な感情の事です。がっかりした時、こころが傷つけられた時、いらいらしている時、不安な時等、人によっては楽しくて仕方がない時、その気分がきっかけになってリラプスする事があります。

自分には、どんなエクスターナル/インターナル・トリガーがあるのかリストアップしておくと良いでしょう。一度自分のトリガーを書き出して見ると、自分がどういう状況で、どういう感情の時に、ドラッグやお酒をとりたくなるのかがよくわかります。

そして、エクスターナル・トリガーを起こさせる様な場所に近づくのを避け、インターナル・トリガーとなる感情が起きたら、すぐに気分転換を考える等の工夫が、特にリカバリーの初期段階では必要です。

そして、自分が「つかのまのアイデア (Fleeting Idea)の段階」にいるとわかったら、まず第一に、こころを落ち着ける事を考えましょう。静かな場所(自分の部屋、景色の良い所等)に行って、深呼吸するなんていうのもよい手です。

例えば、3回大きく深呼吸して、その後10回普通の呼吸をして、その間、自分の呼吸のみに神経を集中する様にして、それでもこころが落ち着かない場合は、落ち着くまで、3回の深呼吸と10回の普通の呼吸のコンビネーションを繰り返すのも良い方法です。

そして、ある程度こころが落ち着いたら、自分が今なにを求めているのかを考えましょう。
いろいろな事をかかえてしまって、なんだか窮屈に感じており、そうした状況からの解放を求めているのか、忙しすぎる日常から離れてリラックスしたいと思っているのか、あるいは孤独を感じて誰かに接したいと思っているのか等自分のこころの状態をチェックしましょう。そうした感情は、「つかのまのアイデア」の下にかくれているものです。

自分が解放を求めているのがわかったら、スポーツやエクササイズ等体を動かす事、絵を書く、遊びの計画を建てる等創造的なプロジェクトに参加する、日記をつける、自分の思っている事をなんでも書き出してみる、あるいは部屋を掃除するなんていうのも有効です。

リラックスしたいと感じているのなら、泳ぎに行く、風呂に入る、マッサージを受ける、瞑想をする等が効果があり、また、思いきって嫌な事には「NO!」と言ってみる事も有効です。

また、孤独を感じているのなら、友人に電話をする(ドラッグディーラーはだめですよ!)、ペットと時間を過ごす、セルフヘルプグループ等のミーティングに参加する等が効果があります。人それぞれ好みがありますから、自分に合った方法を知っておくのが良いでしょう。

それでも、上手く行かなくてリラプスしてしまう事があります。その場合、必要以上に自分を責めるのを避けましょう。

よく、リラプスした後反省しすぎて「自分は全然だめだ」、「もう一生リカバリーできない」等と考えてしまう人がいます。そういうふうに考えると、さらに気分が落ち込んでしまい、またそれが次のリラプスの原因になってしまいます。

1回リラプスしてしまったのだから、1回分だけ反省しましょう。それ以上反省する必要はありません。それよりも、今回のリラプスで、自分が何を学んだのか考えましょう。今まで気付かなかったトリガーを見つけるかもしれません。自分のこころの傷に気付くかもしれません。
そういった新しい発見があったら、逆に、発見をした自分を誉めてあげましょう。

リラプスは危険です。リラプスによって、より深刻な依存に陥ってしまうかもしれません。場合によったら命を落とす危険性もあります。

でも、リラプスから何かを学ぶ事ができるのです。そしてそれを学ぶ事により、より深刻な依存への道は断たれ、逆に回復へのプロセスは一歩前に進んだ事になるのです。

必要以上に自分を責めるのをやめ、小さいことでも良い事があったら、自分を認め褒めてあげる事が大切です。

(向後善之)

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