(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
【B怒りや抗議の気持ちは正当である事を認識する】
「感じる」と「考える」の違いが明確になり、非合理的な自責的な思い込みを認識し、自分の感情を言語化できるようになると、
クライアントの中に、しだいに、自分が受けた理不尽な暴力や虐待に対する怒りの感情や抗議の気持ちがよみがえってきます。
しかし、この段階は、クライアントにとって混乱に満ちたものとなります。彼らにとって、よみがえってきた感情は、これまで
否定し抑圧してきた許容しがたい感情なのです。
人はだれでも、怒り・憤り・敵意といった攻撃的感情を持つときがあります。しかし、このような攻撃的感情は、それが犯罪的
行為や暴力的行為に発展しない限り、基本的に非難されるべきものではなく、正当なものなのです。
しかし、彼らは、なかなかその正当性や、この段階で明らかになってくる、自分に対して不当な扱いをした当事者達に怒りを
向けることを認めようとしません。多くの場合、攻撃的感情を持った自分に対し、嫌悪感を持ち、再び自責の念のサイクルに
陥りそうになります。
カウンセラーは、そうしたサイクルにクライアントが陥りそうになる度に、クライアントが非合理な自動思考のパターンに陥って
いることを指摘します。時には、クライアントが、自分の中の葛藤を処理できなくなり、カウンセラーに対し彼らの中にある
攻撃的感情をぶつける時があります。こういう状態は、カウンセリングのプロセスとしては、歓迎すべきことです。
クライアントがその感情をカウンセラーに直接的にぶつける様な状況になった場合、カウンセリングの場は、クライアント自身の
感情を対象(カウンセラー)に対して表現する「今ここ」で起こっている、生き生きとした再体験の場になります。
そして、クライアントがそれまで抑圧してきた感情をカウンセラーにぶつけた時、カウンセラーが過去にクライアントを傷つけた
人達と異なる反応、例えばカウンセラーがクライアントの怒りに理解を示したとき、クライアントの中には、「自分のいらだちは
受け入れられるべきものである」という思いが芽生え、過去の体験を見直すきっかけになります。
こうしたアプローチを通して、クライアントは自分の怒りの正当性を認識し、怒りの感情を自動的に抑圧せずにまず受け止め、
その感情を言語化することを学んでいきます。
