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自傷と自殺企図(2)

(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

自傷行為の過程には、2人の自分が葛藤していると言えるでしょう。

一人は、強制的・高圧的・批判的・自罰的な自分で、ゲシュタルト療法では、トップドッグと呼ばれる存在です。
彼女(彼)は、「・・すべき」という Shouldismに固執し、「・・できない」自分を執拗に攻撃します。「私は、だめだ」、
「私は、最低だ」、「私なんか生まれてこなければよかった」などの考え方は、トップドッグの主張です。
また、トップドッグは、自分に向けられたポジティブな評価に対し、「でも」、「しかし」と即座に否定します。
「あなたには、こんないいところがあるじゃない」と言われたとき、「でも、そんなところがあっても、誰も振り向いて
くれない」などと反論してしまうのは、トップドッグの仕業です。
トップドッグは、精神分析の用語に従えば、超自我にあたります。

それに対し、もうひとりの自分は、トップドッグからの要請には抵抗があるのですが、強く自己主張せず、多くの場合、
トップドッグに対し従順です。そして、その従順さは、欲求不満をひきおこします。
このもう一人の自分は、アンダードッグと呼ばれます。

トップドッグが強いとき、アンダードッグは、防戦一方になります。アンダードッグにも言いたいことはあるのですが、自傷
行為をしている場合、その主張は、なかなか表に出てきません。

自傷行為の最中にアンダードッグが必死の抵抗を示す時、自傷が自殺に至るのを止めることができますが、トップドッグが
圧倒的に強くなったとき、自殺の危険性が高まります。トップドッグが強くなるに従って、自傷の傷は深くなっていきます。
従って、自傷の傷が深ければ、その人の状態は、非常に危険と言えるでしょう。

自傷行為をしている人たちへのサポートにおいては、アンダードッグの言い分を十分に聴くことが重要です。



(向後善之)

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