(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
自傷行為は自殺未遂と混同されがちですが、自傷行為の多くは、必ずしも自殺企図を含むものではありません。
自殺企図は、言うまでもなく、自己の死を目指した行為ですが、自傷行為の中には、死ぬためというより、いいようのない不安や
自責の念を振り払う目的で行われるケースも少なくありません。
不安や自責の念は、自己を覆い隠します。そのため、彼らは、自己を見失い、「自分が何者であるのかわからない」、「自分の
こころの制御ができない」、「自分の感情がわからない」、「感情がない、あるいは、わからない(喜怒哀楽の喪失)」、「自分の
感じている事と身体の反応が違う」、「生きているという実感がない」、「全てが作り物のように見える」、「生きる意味がわから
ない」といった感覚を持つようになる場合があります。
そうした場合、自傷行為の目的は死ではなく、こうした不安や自責の念を振り払い、自分自身を取り戻すことが主であると
言えます。
しかし、自傷行為は非常に危険な行為で、一歩間違えば、その人の生命をおびやかすことになります。
例えば、右手で自傷をしていた人が、もう切るところがなくなって、左手で切ったら、深い傷になってしまい、危険な状態に
なってしまったということもあります。
自分自身を取り戻そうとする目的自体は間違ってはいないのですが、自傷という手段が危険で不適切なのです。
そして、「自傷行為が自殺企図ではない場合もある」という点を、けっして過大に考えてはいけません。自殺へ向かう自傷行為は
存在します。自殺企図となる自傷行為にエスカレートするのは、自責の念が圧倒的に強くなり、自罰の意識に固執するような場合
です。ですから、サポートする側は、細心の注意が必要です。
