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トランスパーソナル心理学とスピリチュアリティ(1)

心理学の中のひとつの流れとして、トランスパーソナル心理学というものがあります。

はじまりは、人間性心理学の創始者でもあるアブラハム・マズローという心理学者が提唱したもので、マズローは、トランス
パーソナル学会の初代会長です。

人間性心理学では、人間の成長のゴールを自己実現としているわけですが、マズローらは、自己実現を超えた成長があるの
ではないかと考えました。

たとえば、仏教における悟りの境地は、自己実現では説明しきれない部分があり、そうした個を超えた成長までを考えるために
トランスパーソナル心理学が誕生しました。

人間性心理学の考えでは、自己実現とは「自分自身の能力や可能性を十分に発揮すること」と定義され、人間はそこに向かって
成長していくわけです。

しかし、自己実現の後、自分や自分のまわりにどのようなことが起こっていくかといったことは、人間性心理学では、十分に
語られていませんでした。

僕自身は、個を超えた成長と言っても実感はないですし、悟りの境地がどんなものなのかも、書物で読むこと以上のことは
わかりません。ただ、自己実現だけでは説明しきれないものはあるように思います。

そもそも、なぜ人間は、自己実現の方向に進もうとするのかについて、明確な答えがあるわけではありません。

そうした、人間の根源的な欲求やいとなみや、人間が生まれて成長し、死をむかえることの意味などについて考えていく学問が、
本来トランスパーソナル心理学でした。



(向後善之)

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