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怒る権利(1)

(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

AのHuman Developmentのクラスのミッドタームでの一件以来、僕は、まったく英語に自信を失ってしまいました。
そんな訳で、授業中も、「自分の英語がどこか変だ」と思い出すようになり、そうなるともうだめで、入学当初の「まったく
発言できない」状態に逆戻りしてしまいました。

おまけに、Human Developmentのクラスのファイナルペーパーが、けっこう自信があったのに、「やり直し」をくらってしまい
ました。スーザンやMさんに、「ペーパーは、心配する事ないよ」と言っていた手前、カッコ悪い事はなはだしく、この
「やり直し」のおかげで、ますます落ち込んでしまう事になりました。

このペーパーの中で、僕は、いくつかの理論(マーラー、コフート、スターン、ボウルビィ等)を統合した(つもりの?)
新しい考え方を提案したのですが、インストラクターのAの評価は、「テーマが大きすぎる」との事でした。
この評価には不満がありましたが、それよりも、「やっぱり、ダメか」といった気持の方が、はるかに大きかったのです。

つい3ヶ月程前は、自信まんまんだったのに、すっかり弱気になってしまい、「このままじゃ、卒業もおぼつかない」等と考え
始めてしまいました。

また、この時期は、実にタイミングが悪かったといえます。僕は、そろそろプラクティカム・サイト(インターン研修先)探しを
考え始めなければいけない時期に来ていました。
プラクティカムは、コースの最後をかざるメインイベントの様なもので、スーパーバイザーの指導を受けながら、実際に1年間
フルタイムでクライアントを診る事になります。そして、プラクティカムを終えて、やっと卒業になるのです。

プラクティカム・サイトは、学校からの推薦なんてものはないので、すべて自分で探してこなければならず、おまけに、
サンフランシスコにはたくさんのカウセリング心理学専攻の学生がいるので、評判の良いサイトは、ものすごい競争率でした。
当時は、「こんな精神状態じゃ、どのサイトも僕を採用してくれないんじゃないか?」と、不安になったものです。

また、アメリカでの面接は、「ハッタリ」が必要で、自信が無くても、ある様に見せなければなりません。
その頃の僕には、「自信がある様に見せる」事は、考えるだけでとてもストレスフルでした。
でも、落ち込んでばかりもいられず、年が明けたら(1999年になったら)、行動を起こさなければなりませんでした。

ところが、サイト探しを始める前に、さらに事件が起きました。

サイト探しを始めるためには、ICPの教授達の許可が必要なのですが、その許可が下りなかったのです。
その知らせを、Aのクラスで、ファイナルペーパーのリターンマッチをくらったすぐ後の、12月の半ばにもらいました。

理由は、僕の「英語力」でした。

教授会で、「僕の英語力は、プラクティカムのレベルに達していない」と、判断されてしまったとのことでした。
どうやら、Aからの意見だった様です。これは、「死人に鞭打つ」みたいな感じでしたね。

「麻雀放浪記」という映画の中で、名古屋章演じるちょっとさえないギャンブラーの上州虎が、「勝負師は、落ち目になったら
お終いだ。やる事なす事裏目に出やがる。」と言っていたのですが、まったくそんな状態になってしまいました。



(向後善之)

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