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錯覚いけない。良く見るよろし(3)

(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

新入生だったMさんは、ある日、僕に「良いレポートを書くにはどうしたらよいか?」という事を聞いてきました。

その時、「うぬぼれ躁」の頂点だった僕は、「レポ−トは、自分の好きな事を書けば大丈夫。文法がおかしくたって良い点を
くれるよ」なんて答えていました。Mさんはさらに、「じゃあ、だれかに文法のチェックとかしてもらってないの?」と驚いた
顔をするので、僕は「ほとんど、チェックしてもらった事ない」なんて、得意になって答えていました。

実際、僕は、自分のペーパーをチェックしてもらったのは、キムと一緒に宿題をやった時だけでした。また、ライティングには、
ちょっと自信を持ち始めていて、「後はスピーキング力をつければ、僕の英語は完璧だ」なんて思っていたのです。
これが、大きな間違いでした。

その間違いが、はっきりしたのは、ミッドタームのペーパーが帰って来た時です。

Mさんは、ちゃんとクラスメートにチェックしてもらっていたのですが、僕は、相変わらずまったくチェックしてもらわずに
ペーパーを提出しました。僕は、ペーパーの内容には自信があったのですが、評価はB+で、「ちょっと残念だけど、まあ、
いいか」といった気持ちでした。

ところが、ペーパーが帰って来た後の休み時間に、インストラクターのAが僕の所にやってきて、「ちょっと、君のペーパーの
事で話がある」と言います。彼によれば、「君のペーパーには、ユニークなアイデアがあるが、英語がメチャクチャで、意味
不明の所がある」とのことでした。
その時、今までの「うかれた気分」は、あっさりどこかへ行ってしまい、頭の中が、真っ白になった様な気がしました。

Aは、続けます。「君には、ESLのチューター(家庭教師)が必要だ」。

さらに、「君の英語の能力について、君のアドバイザーと話し合う必要がある」とも言われました。これは、とどめの一言でした。
その瞬間、僕の中にやっと出てきた自信は、ガラガラと崩れ落ちました。また、他のクラスメートのいる中で、僕の英語を批判
されたのは、ショックでした。

今だったら、「他のクラスのペーパーでは、良い評価を得ている。CIISの評価基準はどうなっているのか?」くらいの事は、言う
かもしれませんが、その時の僕は、まだまだ「自分の正当性を主張する」事ができなかったものですから、何も言えませんでした。

この後、実際教授達のミーティングの後で、僕の英語の事が話題になりました。これは、ショックの追い討ちになりました。
ミッドタームの後、僕はESLのチューターを雇い、毎週2時間づつのセッションを受ける様になりました。
これは、僕の英語能力の面から言えば、かえって良かったのかもしれません。

しかし、この事件は、それだけにとどまりませんでした。



(向後善之)

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