(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
コニーの意志の強さを感じたもうひとつの出来事がありました。
その日、「お絵描き」の後「お遊戯」をする事になっていたのですが、コニーはお遊戯の時間になっても、けっして「お絵描き」
の部屋から出ようとしませんでした。結局、僕が彼女の様子を見に行く事になりました。
教室にひとりで座っているコニーに、「どうしたの?」と聞くと、下を向いて「なんでもない」と答えます。
「お遊戯がきらいなの?」と聞くと、「嫌いじゃない・・」と答えます。
その後、彼女はクレヨンをにぎり締めたまま、だまってしまいました。
僕は、しかたがないので、コニーに「何でも好きな事をやっていいよ」と言いました。 彼女は、持っていたクレヨンで絵を描き
始めました。それは、彼女の好きな馬の絵で、その絵は、「お絵描き」の時間に描き終わらなかったものらしいのです。
「馬好き?」と聞くと、はじめてうれしそうに「大好き」と答えました。そして、「ダディーは、いつもホーシー(お馬さん)に
なってくれるの」と言います。きっと、馬の絵は、お父さんのコニーに対する愛情の、また、コニーのお父さんへの愛情の象徴
なのでしょう。
コニーは、ホーシーになってくれるお父さんが大好きなのです。彼女にとっては、お遊戯よりも、「ホーシーの絵を仕上げる事」
の方が、はるかに大事だったのですね。
お遊戯に参加せずに、絵を描こうとしていたコニーは、「ルールを守らない悪い子」になってしまうのかもしれませんが、僕には、
お遊戯に「NO」と言って、ひとりになっても「ホーシー」の絵を描こうとしたコニーが、とてもりっぱに見えました。
絵を描き終わったコニーは、とても満足そうでしたが、「お遊戯室」に行くのは、なんとなく照れくさい様子でした。
「いっしょに行ってあげるから大丈夫だよ」と言うと、コニーは、「ホーシーになってくれる?」と、僕に聞いてきました。
僕は、コニーの照れくさい気持ちもわかるし、「お絵描きをする」と言う意志をひとりになっても貫いたコニーに感動していた
ものですから、ホーシーになってあげました。彼女は、「ホーシー!ホーシー!」と大喜びでした。
コニーを乗せた「ホーシー」が、「お遊戯室」の前までたどりつくと、彼女が突然「ストップ」と号令をかけました。そのあと、
コニーは「ホーシー」から降り、毅然として、すました顔で、堂々と教室の真ん中をつっきり、お遊戯の輪の中に入っていった
のです。その姿は、かっこよかったですねー!
僕が幼稚園を辞める時、コニーが僕に絵をプレゼントしてくれました。その絵には、「ヨシせんせい」と日本語で書いてあり
ました。
