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本物の迫力(1)

(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

CIISの授業では、「自分の目で確かめる事」を重視します。「アルコール・薬物依存」のクラスも、「自分の目で確かめる」
ことを重視したクラスでした。

このクラスでは、依存に関するさまざまな考え方を学ぶ事ができます。テキストは、「Many Roads, One Journey(文献1)」
という、依存に関する色々なアプローチを紹介した本と、「チョコレートからヘロインまで(文献2)」という、ちょっと
アブナイ、ドラッグカルチャーの本でした。

薬物依存に対するアプローチは、大きく分けて2つあります。

ひとつは、「依存は、病気であり、例えば糖尿病等と同じで、一度依存症になると、けっして量をコントロールする事はできない」
とする、いわゆる「Disease Model」とよばれるもので、多くの心理学・セラピー関係者が指示している理論です。

もうひとつは、「依存は、精神的な病によるもので、問題を克服すれば、依存から脱出できる(すなわち、量のコントロールが
可能である)」とするHarm Reduction理論です。

「Many Roads, One Journey」は、ほぼ前者の考え方でつらぬかれており、「チョコレートからヘロインまで」は、後者の考え方を
支持しています。

これは、とても難しい問題です。

いわゆるハードドラッグ(ヘロイン、コカイン、覚せい剤)への依存の場合は、たいていの場合Disease Modelの方が有効だと
思っています。
ヘロイン、コカイン、覚せい剤等の依存性の強い薬物の依存症においては、「摂取量のコントロール」は、非常に困難です。
例えば、15年間ソブライエティー(薬物・アルコール等を完全に断つ事)を続けた後、一服コカインを吸ったために、再び
コカイン依存症にもどり、結局最後は自殺してしまった人の例があります。
実際、ハードドラッグの依存症から回復し、薬物とうまく付き合う(量をコントロールする)事ができた人は、非常に少ないと
言っても良いでしょう。

一方アルコール等のソフトドラッグについては、僕の場合、主にHarm Reduction理論を適用しています。

文献1:Kasl, C. D.(1992). "Many Roads, One Journey," NY:HarperPerennial.
文献2:ワイル.A,ローゼン.W.(1986). 「チョコレートからヘロインまで」、第三書館



(向後善之)

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