(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
こちらのコラムでお話した英語学校に、アレックスというブラジル人がいました。
彼は20代半ばで、アメリカの大学に入学したいと考えていました。彼は、僕より2週間位後からその学校に入ってきたの
ですが、いきなり初日から元気に発言し、クラスの中心的存在になりました。
アレックスは、いつも僕のとなりにすわり、カタコトの日本語で話しかけてきました。日本語といっても、あいさつ程度が
できるといった語学力なのですが、ものおじせずに話しかけてきて、「これは日本語で何て言うんだ?」と暇があれば聞いて
きました。
僕は、そのたびにわりと丁寧に教えていたのですが、次の日には、すっかり忘れていて、質問したことさえ覚えていない事も
ありました。
彼はとにかく話し好きで、とてもフレンドリーです。彼の英語力はそれほど高いものではなく、単語力や文法は僕の方が知って
いるのですが、授業中の発言は、彼の方がはるかに多く、とにかく思いついた事は口に出すといった感じでした。
当時の僕は、どうしても、考えてから発言するので、レスポンスが遅れて、発言の機会を失う事が多かったのですが、彼の場合、
そんな経験は無かったのではないのでしょうか。時には、インストラクターのシャノンの質問と全く関係無い事を答えていた事も
ありますが、そんな事はまったく気にしていない様子でした。
また、彼は教科書を持っていませんでした。シャノンから「すぐ買うように。」と言われていて、そのたびに「明日買うよ」と
答えていたのですが、本当はまったく買う気が無いらしく、僕がその学校をやめるまでの1ヶ月教科書無しですごしていました。
毎日私が教科書を見せてあげていたのですが、僕がやめたあとはどうしていたのでしょう?
おそらく、相変わらず教科書は買わず、誰かに見せてもらっていたのでしょうね。
アレックスは、教科書も持っていないし、宿題もまったくやってこないのですが、授業中はいつも中心人物でした。
最初のうち、シャノンも「宿題は、ちゃんとやってきてちょーだい」等と小言を言っていたのですが、最後にはあきらめたようで、
何も言わなくなりました。この勝負、アレックスの勝ちです。
