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芸は身を助ける(3)

(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)

その中のひとりビル君は、"I'm confused. (ちょっと、混乱しちゃったんですけれど)" と言って何度も何度もクラス担当の
バーマン教授に質問を繰り返し、この質疑応答のために、授業が30分近くもついやされました。
彼の質問は、非常に基礎的なものについてだったのですが、例のごとく、「こんな質問して恥ずかしい」と言う感覚が皆無なの
です。正直言って、何度も根気良く質問に答えているバーマンに同情しました。

ある時、休み時間にひとりのクラスメートが、「ヨシ、君は確かサンフランシスコに来る前エンジニアだったんだろう?ここが
わからないのだけど、ちょっと教えてくれないか?」と聞いてきました。
基本的な統計の用語や計算法についてだったんですが、おやすい御用だったので、図を書きながら説明を始めた所、僕のまわりに
人垣ができてしまいました。
クラスメート達は、計算法はわかるのですが、それだけでは満足できず、それが具体的に何を意味するのかを、しっかりと理解
したかったようです。彼らは、ちょっとでも不明確なところがあると、納得しないんです。

図を書いていると「オー!」と歓声があがり、説明を終わった後、クラスメートたちに「お陰で助かった」と握手をもとめられ、
しまいには「ヨシ、あなたは天才よ」なんて言われました。
ひとりの生徒は、「ヨシがバーマンの代わりに授業を受け持ってくれれば良かったのに」なんてことを言いはじめました。
アメリカ人は、誉め言葉もおおげさです。 高校生レベルの数学が私の特技だったのです。

ともあれ、この特技がきっかけで、キム以外で初めて親しく話せるアメリカ人の友達ができました。



(向後善之)

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