(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
つい先日、たまたま偶然に、麻布の街中で友人と出会いました。数年ぶりだったこともあるし、こんなところでたまたま出会う
なんて思ってもいなかったので、びっくりしましたし、また、うれしくもありました。
「偶然」は、いろいろな感覚や感情を浮かびあがらせます。その友人とはじめて出会った頃、議論を戦わせていた頃が、すっかり
忘れていたその頃の気分そのままに、突然前触れもなく目の前に現れてきます。
そうしたデジャブのような「偶然」によって、僕の中の回路が少しだけ変わります。
そして、その少しの変化が、大きな変化を生むかもしれない・・・
そうすると「偶然」は、単なる偶然ではなく、意味のある偶然なのかな・・なんて妄想が膨らんだりします。
カウンセリング中でも、予想もしなかった「偶然」が起こり、それがクライアントさんのプロセスを大きく進めることが、時々
あります。
あるクライアントさん(Aさんとします)には、「自分は、だめな人間で生まれてくるべきではなかった」という、非常に強い
非合理的な思い込みがありました。
カウンセリングをはじめてから、割と早い時期に、その思い込みが本来の自分を表わすものではないことには気づいたのですが、
その信念は依然として、彼が自己表現したり、自己主張するときに登場し、なかなか自信を持って行動するということができま
せんでした。カウンセリングも、壁にぶつかった状態だったと言えるでしょう。
その頃、僕はAさんに対してフォーカシングというアプローチを行ってみました。
まず彼に、自分の思い込みにとらわれているときの感覚をイメージしてもらうと、彼は、その感覚を「大きなごつごつした岩」と
イメージすることができました。
おそらく彼の非合理的な思い込みは、大きな岩となって、彼の感情や希望やエネルギーが表に出てくるのを阻害していたのでしょう。
僕は、Aさんに、その岩をイメージの中で動かせるかどうか尋ねました。しかし、その岩は大きすぎて、どうしても動かすことが
できません。僕も、岩を動かしてもらうのはあきらめようと思いはじめました。
その時、突然、カウンセリングオフィスの近くにカミナリが落ちました。
それまで、小雨は降っていましたが、大雨が降っていたわけではなかったので、ほんとに突然の出来事でした。
僕も、Aさんも驚いたのですが、・・・。
カミナリが落ちた瞬間、Aさんのイメージの中の大きな岩が、こなごなに砕けてしまいました。
そして、岩があったはずのところに、Aさんは力強いエネルギーのようなものを感じました。
その後、彼のプロセスが飛躍的に進みました。Aさんは強い非合理的な信念のために、自分の潜在的な力を出し切れていなかったの
ですが、その信念がカミナリに粉砕されてしまったのですね。カミナリさまさまです。
