(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
僕が留学時代についた8人のスーパーバイザーは、場所がサンフランシスコということもあって、みなさん複数の
理論を適用する、いわゆる統合的なカウンセリングをする人たちでしたが、それでも、それぞれそのカウンセラーの
考え方の軸となるような分野を持っていました。
同じ統合的カウンセリングといっても、認知行動療法を軸としていたスーパーバイザーもいましたし、来談者中心療法を
軸にしていたスーパーバイザーもいるといった具合です。
僕は、あえて、いろいろな分野のスーパーバイザーを選びました。軸にしている理論をあげてみると、認知行動療法、
実存主義心理療法、自己心理学療法、ゲシュタルト療法、来談者中心療法、ソリューションフォーカスアプローチなど
です。
また、カウンセラーだけではなく、ソーシャルワーカーにスーパーバイザーをたのんだこともあります。
カウンセリングをしていると、ソーシャルワーク的な仕事にも精通している必要性を感じたからです。
たいてい、同じ時期に2人のスーパーバイザーがついたのですが、僕は、まったく毛色の違うスーパーバイザー2人に
スーパービジョンをしてもらったりしました。
例えば、認知行動療法を軸にしたスーパーバイザーと実存主義心理療法を軸にしたスーパーバイザーに同時にスーパー
ビジョンを受けたりしました。この目的は、同じケースについて、それぞれのカウンセリング理論が、どのように解釈する
のか、どのようにアプローチするのかを、明確化するということです。
少々無茶な要求かなと思ったのですが、僕の方からスーパーバイザーに頼みに行った時、ふたりのスーパーバイザーは、
「それは、なかなか面白いね」と言って、快く引き受けてくれました。
この経験は、とても面白かったです。それぞれのスーパーバイザーが、とても興味を持ってくれて、スーパービジョンの
中でいろいろなアイデアが生まれました。
今でこそ、認知行動療法的な考え方と、実存主義心理療法的な考え方を統合したDBT(弁証法的心理療法)やACT
(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)などが有名になってきましたが、僕がスーパービジョンを受けていた頃は、
そうした一連の統合的理論が生まれ始めていた時代で、まだ大きな注目を集めるところまでいっていませんでした。
そんな時代に、僕の要求を快く引き受けてくれたスーパーバイザーたちには、感謝しています。
また、今から思うと、「僕ら、けっこう先駆的なことやっていたじゃん!」なんて思ってしまったりもします。
