顔なし
(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
千と千尋の神隠しに出てくるキャラクターで最も特異な存在は、「顔なし」と言ってもよいでしょう。
一見彼には、感情も意思もありません。そのかわり、他人(他妖怪?)を食べて、その思考や性質になってしまいます。
例えば、欲張りなかえる(の妖怪)を飲み込むと、「顔なし」自身も貪欲になって暴れ回り始めます。
こうしたことは、現実の社会でもよく見かけます。身近なところでは、いじめや、タレントに対する必要以上のバッシング、
モンスターペアレンツと呼ばれる人たちの過剰な要求、大規模なところでは、さまざまな国で見られる過激なナショナリズム
など、みんなどこかで「顔なし」になっていることの表れのように思います。
自分自身を見失ってしまったから、他人の意見や、見えないルールや教条主義にひっぱられ、ひっぱられていることに対する
疑問を封印してしまいます。
「顔なし」から、他人の意見や性質をとってしまうと、そこに残るものは、寂しさや心細さです。
その寂しさや心細さを見つめはじめたとき、「顔なし」が「顔あり」になっていくのでしょうね。
