(本稿は、カウンセラー'sブログより抜粋したものです)
少し前に、「いじめの件数が前の年の6倍になった」というニュースがありました。
依然として、というか、よりいっそう「いじめ」の問題は、大きなものになってきているように思えます。
いじめは、被害を受けた側に深刻な影響を与えます。
最近、「いじめ」について、とある専門家のお話を聞き、かなりびっくりしたことがあります。
彼(専門家の方)は、「いじめの被害者が回復するのは、簡単なことなんですよ」と言います。彼の主張は、「いじめを受けた
側は、自分を愛することができない。自分を愛することができれば、他者とのつながりを意識できる。そうなれば、すぐに元気に
なる」というものです。
・・・んー、唖然としてしまいました(と、同時に、僕のこめかみがヒクヒク していたかも??)。
いじめの被害者が、心から「自分を愛する」ことができるようにまでなったら、それは、元気にもなるでしょう。
しかし、そこまでいくのが大変です。いじめを受けた人たちは、自尊心を切り裂かれているかもしれませんし、自信も失っている
かもしれません。うつや、パニックや、自傷行為や、解離にまでいたることも少なくありません。最悪の場合は、自殺です。
そうした人たちに対して、「自分を愛しましょう」なんて言うのは、残酷なことなのではないかと思います。
彼らの多くが「自分のことを好きになれない」、「私なんて生まれてこなければかった」と言います。そういう人たちが、自分が
かけがいのない存在であると確信するまでには、大変な葛藤があります。
その葛藤によりそい、回復への道をサポートするのがカウンセラーの仕事だと思います。
葛藤を乗り越えたとき、はじめて「自分を愛する」ことができるのであって、その段階になったら、もうカウンセリングは、終結の
プロセスに入ります。
「自分を愛すれば、簡単に回復する」というご意見には、納得することができなかったので、その専門家の方には、僕の意見を
お伝えしておきました。
